しこりが良性か悪性か見分け方のポイント!症状や原因・治療法も解説

「しこりにはどのような種類があるのか」
「良性と悪性の見分け方は?」
「しこりができたら手術した方が良いのか」

いつの間にかできたしこりが気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、しこりの種類や良性・悪性の見分け方などを解説しています。しこりについて気になっている方は、是非ご参考にしてください。

しこりとは

しこりとは、皮膚や皮下組織にできたコブやできものの総称です。
しこりは身体中の至る所にでき、その大きさや形はさまざまです。最初は小さかったしこりが、加齢と共に大きくなることもあります。
また、痛みがあるものと無いもの、押すと痛い場合など症状はさまざまです。

しこりには良性と悪性があります。
良性のしこりは、皮膚内に老廃物や脂肪などが溜まることが原因の一つです。一方、悪性のしこりではがんなどの場合があり早急な治療が必要です。
また、良性のしこりであっても、大きさやできた箇所により神経を圧迫するおそれがあります。見た目が気になる場合もあるため、しこりが気になる方は早めに医師による診察を受けましょう。

しこりが良性か悪性かを見分けるポイント

前述の通り、しこりには良性と悪性があります。とくに悪性では、医師の診察を受けるなど早急な対応が必要です。
しこりが良性か悪性かを見分けるポイントを症状に分けて解説します。

良性のしこりの症状

良性のしこりは、柔らかく表面がツルツルしており、滑らかな丸みがあります。皮下組織と癒着していないため、押すとクリクリと動くのが特徴です。
普段、痛みやかゆみなどの症状は無い場合が多いですが、押すと痛みを感じることがあります。
良性のしこりは、一定の大きさで成長が止まります。成長のスピードはさまざまです。
また、発熱や疲労感、体重減少などの一般的な健康状態には影響しません。
上記のような症状であれば、良性のしこりの可能性があります。

悪性のしこりの症状

悪性のしこりは、良性のしこりとは反対の症状であることが多いです。悪性のしこりは硬く、表面がでこぼこしています。
また、じゅくじゅくしていることも多く、出血やかさぶたを繰り返すことも悪性しこりの特徴です。
皮膚組織と癒着しているため、押してもほとんど動きません。

良性のしこりは、一定の大きさで成長が止まりますが、悪性しこりの場合は、成長し続けます。悪性のしこりは、健康状態に影響することがあり例えば発熱や疲労感、体重減少などです。
悪性しこりを放っておくと転移の可能性もあるため早急な診察・治療が必要となります。少しでも不安があれば医師の診察を受けましょう。

しこりの種類

しこりにはさまざまな種類があります。しこりのできる箇所や原因はさまざまです。主なしこりの種類を解説していきます。

粉瘤

粉瘤(ふんりゅう)は、顔や首、背中、耳の後ろなどにできる良性の腫瘍です。アテローム、表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とも呼ばれます。
大きさは、数mm〜数cmで半球状のしこりです。初期においては痛みはなく、肌色もしくは白色でニキビのようにも見えます。
ただし細菌に感染すると腫れ、痛みを感じるでしょう。

原因は、本来身体から剥がれ落ちるはずの老廃物や皮脂が、皮膚内にできた袋状の組織内に溜まることです。
中に溜まったものは、ドロドロの粥状で悪臭があることが特徴です。粉瘤は、中身を出しても、皮膚内の袋を取り出さない限り、また大きくなる可能性があります。

そのため完治するには手術が必要です。手術方法は主に切開法とくりぬき法があります。
切開法は、腫瘍のできた部分の皮膚を切開し、粉瘤を袋ごと取り出す方法です。
くりぬき法は、まず特殊器具により粉瘤に小さく穴を開け溜まったものを絞り出します。次に、中身を出して小さくしぼんだ袋を、最小限の切開で取り出す方法です。

脂肪腫

脂肪腫は、背部、肩、頸部に最も多くできる良性の腫瘍です。上腕、臀部、大腿にもできることがあります。顔面や頭部にできることは稀です。
発生時期は幼児期が多いですが、成長が遅いため自覚できる症状は、40〜60歳くらいに多く見られます。
大きさは数mm〜10cm程度です。ドーム状に盛り上がっており、押すと柔らかく、痛みやかゆみはありません。しかし、大きくなると周囲の神経を圧迫するためしびれや違和感を感じることがあります。

原因は、皮膚の下に脂肪を蓄えた細胞が増えてできるといわれていますが、正式にはわかっていません。脂肪腫は、自然に治らないため、切開法による腫瘍摘出などの外科手術が必要です。
脂肪腫は、まれに筋肉内や筋肉間、筋膜下にできることもあります。そのため、大きさや深さ、部位によってはMRI検査や超音波検査(エコー検査)、CT検査などが必要です。

イボ

イボは皮膚が盛り上がるできものの俗称で、ほとんどが良性です。顔や手足、首、足裏、外陰部などさまざまな箇所にできます。
発症する年代は、子どもから高齢者まで幅広いです。イボの種類により、かゆみや赤みを伴う場合があります。

イボの原因はウイルス感染もしくは、加齢による皮膚の老化や紫外線による影響などです。着てる服が擦れることでイボができることもあります。
イボの治療法は、電気焼灼法や液体窒素を用いた冷凍凝固療法、他に殺菌消毒薬を塗る方法やヨクイニン内服薬療法などさまざまです。
イボには、一部悪性の場合もあるため、心配なようでしたら診察を受けた方が良いでしょう。

石灰化上皮腫

石灰化上皮腫は、顔面、頸部、四肢などにできる良性の腫瘍です。皮膚の下に石のように硬いしこりができる症状で、一般に若い人に多いですが40歳以降に見られることもあります。
大きさは0.5〜5cm程です。表面がわずかに盛り上り、でこぼこしていることがあります。しかし押すと皮膚の下で動くのが悪性腫瘍との違いです。
色はほとんど目立ちません。しかし、表皮に近い場合などには腫瘍が透けるため黄白色や黒色に見えることがあります。

石灰化上皮腫ができる原因は不明ですが、毛母細胞から起こる腫瘍であると言われています。毛母細胞とは毛根の膨らんだ部分に存在する細胞です。
石灰化上皮腫は自然に治ることはありません。細菌に感染すると赤く腫れることがあるため、一度診察を受けることをおすすめします。
治療法は、切開し摘出する外科手術です。摘出した腫瘍が悪性でないか顕微鏡検査(病理学的検査)する場合もあります。

有棘細胞癌

有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)は、顔や首など主に頭頸部にできることが多い悪性腫瘍(がん)です。四肢にできることもあります。
赤い斑やイボ状のしこりとして始まり、成長していくため大きさや形はさまざまです。痛みなどの自覚症状はありません。
表面はじゅくじゅくして盛り上がり出血やかさぶたを繰り返します。また、独特の悪臭があります。

有棘細胞癌は表皮にある有棘層の細胞が、がん化することが原因です。紫外線による影響の他、慢性刺激や慢性炎症、ウイルス、放射線など、さまざまな原因があります。
治療法は、外科的治療や放射線治療,化学療法などがありますが、第一の選択は手術による治療です。がんが表皮内にとどまっていれば、患部を切除することで治療は終わります。

しこりを自分で完全に見極めることは難しい

前述の通り、しこりにはさまざまな種類があります。判断しづらい症状もあり、しこりが良性か悪性かを自分で完全に見極めることは難しいでしょう。
クリニックでは、専門医による診察を受けられるため安心です。また、腫瘍が良性であっても、早期治療を施すことで傷口が小さくすむ場合があります。そのため、気になるしこりがあったら早めに医師による診察を受けましょう。

しこりの診察は形成外科か皮膚科へ

しこりは、形成外科もしくは皮膚科で診察できます。分野が重なる部分もありますが、形成外科と皮膚科は違うため自分にあった診療科を選びましょう。

形成外科と皮膚科の違い

形成外科は、、身体表面の変形や欠損、異常などの部分を修復する診療科です。機能だけでなく見た目の仕上がりも重要視しています。
身体の修復が基本であるため、傷をきれいに治すことに特化した治療が可能です。

一方で皮膚科は、四肢や顔面、毛髪、爪など皮膚の疾患を診察、治療する診療科となります。
例えば、アトピー性皮膚炎・かぶれ・脂漏性等・水虫・乾燥肌・イボなどさまざまです。皮膚科では、内服薬や塗り薬による治療を含め、さまざまな皮膚疾患を診察・治療しています。

皮膚の治療・手術の専門医がいる形成外科

しこりは良性であっても発生箇所により、見た目が気になる場合があります。そのため傷口はきれいに治したいものです。

当院では、形成外科専門医がしっかりと診察し、一人ひとりに合わせた治療をします。また特殊な機器を使用し仕上がりに特化した治療をおこなっているため、再発がなくきれいな治療が可能です。また、日帰り手術もできるため生活に支障が出ることもないでしょう。しこりの治療でとくに仕上がりが気になっている方は、是非ご相談ください。

【まとめ】不安な場合は早めに診察を

しこりの種類は、症状によりある程度は自分で判断可能です。しかし、良性と悪性があり、早期の対処が重要な場合があります。
そのため、少しでも不安を感じたなら医師による診察を受けた方が良いでしょう。当院では、プライバシーに配慮しリラックスした中で診察できます。
日帰り手術もできるため忙しい方でも対応可能です。しこりの治療は是非当院にお任せください。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。

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