ケロイド

2021.04.25

耳にできた大きなケロイドの治療/日帰り | ふるばやし形成外科粉瘤クリニック東京新宿院

今回の症例は耳のピアス後のケロイドです。動画は下に載せています。

 

耳のケロイドについてはこちらに症例と伴に詳しく載せています。

 

今回の症例は今まででは一番大きいケロイドでした。

耳のケロイド 

耳垂の表と裏、耳介に約4㎝程のケロイドがあり、耳介の方のケロイドは数か月経過してから手術をすることとなりました。

耳垂も大きく、耳たぶの形態を維持するのが非常に難しい症例でした。

ケロイドは前回の説明部位にも書きましたが、過剰な治癒になります。ピアスの金属に対するアレルギーや異物反応によりカラダはピアスを排除しようとします。炎症を起こし、赤くなりますが、排除が出来ないために、更に炎症を続けます。大体の患者様は赤くなっても、むしろ、それを隠すようにピアスを付けてしまいます。そのため、更に炎症により組織の破壊が進んでしまいます。

その結果、過剰な治癒が起こり、正常組織を塗りつぶすようにケロイドが広がってしまいます。

手術を難しくするのは正常組織がケロイドに置き換わってしまっているという点です。

そのため、ケロイドをすべて切除すると、大きなケロイドであればあるほど形態が変形します。出来るだけ組織を残しながら切除し、形態を整える工夫が必要になります。

耳はカラダの中でも最も形態が特殊で立体的な部位であるため、手術は非常に難しくなります。また手術が上手くいったとしてもケロイド体質が強ければ再発してしまうこともあります。

そのため、術後の圧迫も非常に大事になります。術後の圧迫用にイヤリングが非常に有用です。

 

今回の症例ではケロイドを一部残して、形態を整えることは非常に困難でしたので、局所麻酔後に耳垂のケロイドを残さずに切除しました。

そのため、縫合にかなり苦慮しました。

シュミレーション後に、一度、横方向に縫合を行い、形態を確認しましたが、耳垂の形態に違和感が出てしまったため、一度糸を外し、縦方向で縫合し直しました。

それでも多少の左右差は出てしまいますが、現状ではこれが限界となります。

大きなケロイドは次回手術となります。

大きいですが根っこの部位は小さいため、形態異常もほとんどなく、手術が可能となると思います。

 

形成外科専門医

古林玄

2021.02.28

耳のケロイド治療/日帰り治療 | ふるばやし形成外科粉瘤クリニック東京新宿院

耳のケロイド

耳のケロイド 裏面

東京院で耳のケロイドの手術を行いました。約2cm大とかなり大きいサイズのケロイドでした。

耳のケロイドと粉瘤は別物ですが粉瘤と間違えて来院される患者様も多く、毎日2〜3件は手術を行っています。もちろん当院では粉瘤だけ取っているわけではなく、腫瘍全般の摘出を行っていますので当日日帰り手術で対応させて頂いております。保健診療での治療が可能です。

 

 

ケロイドとは

まずケロイドとは火傷やニキビの炎症、外傷から線維芽細胞がコラーゲンを作り、過剰に増殖することにより健常組織を侵食します。

場所によって出来やすいところや、体質によって出来やすい人がいます。特に胸の中心、肩、下腹部など動かす場所や皮膚の緊張が強い場所に出来やすいです。傷が治る時に過度な緊張が掛かると皮膚は過剰な治癒を行いケロイドになってしまいます。

体質もかなり関係しています。白人のような皮膚の柔らかい人種では出来にくい傾向にありますが、日本人のようなアジア人である黄色人種は皮膚の緊張も強く、ケロイド体質を持っている人が多いです。極端な体質の人では少し掻いただけや、ニキビが出来ただけでケロイドになってしまいます。日本人の1割くらいがケロイド体質を持っているとも言われています。

盛り上がっているくらいいいかと思う患者様もいらっしゃいますが、ケロイドには痛み、痒みが伴うため、日常生活に支障をきたす方もおられます。

 

耳のケロイドはほとんどがピアスが原因になります。金属アレルギーや傷により炎症が持続すると皮膚は頑張って治そうとします。それがきっかけで過剰な治癒が起こり、放っておくと大きなケロイドになってしまいます。

ピアスを付けて赤くなっても、その赤みを逆にピアスで隠そうとすることが多く、炎症が持続する傾向にあります。そのため、ケロイドが出来てしまうため、赤くなった際には出来るだけ早くピアスをやめる必要があります。

 

耳のケロイドの治療

基本的にはケロイドは手術をしても再発したり、悪化してしまう場合もあります。手術の侵襲が原因になることがあるからです。

但し、耳の場合にはピアスによる持続的な炎症という別の原因が加わってできるため、手術によって切除することで治療することができます。

耳のケロイド 切除した組織

但し、やはり再発も考えて術後の対応をする必要があります。

それが術後の圧迫です。

そもそもケロイドは基本的には圧迫に弱いです。過剰な治癒も圧迫することで酸素を減らすことで成長できなくなります。腹部のケロイドでも下着のゴムの力でその部位でけケロイドが軽度である場合もあります。

胸部や肩などは圧迫が難しいですが、耳は圧迫用のイヤリングを使用することで簡単に圧迫処置することが出来ます。なので当院では2週間後から圧迫用のイヤリングを使用し、3ヶ月間の圧迫を続けています。

ネットでの購入が可能です。

手術は耳の形態を考えながら行う必要があり、粉瘤よりも難しくなります。

耳は他の部位に比べて立体的な部位でもあるので皮弁作成術や、Z形成術、W形成術を利用し、手術を行います。また問題となるのがケロイドが健常組織を侵食してしまっているところが難しさの原因になります。耳は複雑な形態をしているため、過剰にケロイドを切除してしまうと、形態も維持できず、耳たぶなどは小さくなってしまう場合もあります。

コツとしては一部のケロイドを残しながら、ケロイドを利用しながら形態を整えることになります。一度で綺麗に形が整わないこともありますが、取りすぎは絶対に注意なので、修正として2度手術することもあります。またやはり再発もあるためリザベンを内服してもらうこともあります。

リザベンはアレルギーを抑える薬でもありますが、傷の治りはアレルギーの反応に近いこともあり、炎症を抑え、ケロイドの痒みも改善します。しかし魔法の様な薬ではないので効果としては気持ち程度のこともあります。

 

ケナコルトの注射

ケナコルトはステロイドを含む製剤で炎症を抑えたり、コラーゲンの産生を抑えて、ケロイドの赤みの改善、痒み、盛り上がりの改善を見込めます。約1ヶ月ごとの注射で効果が出ますが、効果は強過ぎることおり、周囲が凹んだり、血管拡張が見られたりするので、注意深く打つ必要があります。また、完全にケロイドが消えるわけではなく、痕も残るので、耳は手術をお勧めします。

胸部や肩のケロイドでは再発の可能性も高いため、ケナコルトの注射の方が効果的かと思います。やはり全く綺麗になるわけではないですが、盛り上がりや、痛み、痒みの改善が見込めます。

 

形成外科専門医 古林玄