目のできものの病名や症状は?治療法や原因についても解説します!

目の周りにできものが現れると、不安や不快感を感じることがありますよね。
目の周りにできものができることを、「ものもらい」などの言い方をすることありますが、ものもらいの中でもさまざまな症状があります。
今回の記事では、目の周りのできものの病名や症状、原因や治療法を解説していきます。

目のできものに関する正しい知識を身につけて、適切な対処法を見つけましょう。

目の周りのできものの病名

目の周りにできものができた時の病名はいくつかありますが、よく言われる病名としてはこちらになります。

  • 麦粒腫
  • 霰粒腫
  • 表皮嚢腫(粉瘤)

それぞれまぶたが腫れて開けづらくなることがありますが、症状や原因は異なってきますので、詳しく解説していきます。

麦粒腫

麦粒腫(ばくりゅうしゅ)は、まぶたのふちに痛みや痒みをともない、赤く腫れができる症状です。
まぶたのふちにある汗腺やまつ毛の根元に細菌が感染して、炎症を起こしている状態となります。

麦粒腫の症状が軽い場合は、炎症による溜まった膿が自然につぶれて出ていくことで治癒することもあります。腫れている部分に膿が溜まってしまった状態が続くようでしたら、専門医へ相談に行くようにしましょう。

霰粒腫

霰粒腫(さんりゅうしゅ)は、まぶたのふちにあるマイボーム腺に脂肪が詰まってしこりができる症状です。

マイボーム腺とは、まぶたのきわにある分泌腺のことで、そこから脂を分泌することで涙と混ざり目の渇きを抑える役目をします。
そのマイボーム腺の出口に脂が固まったり、化粧品などが付着した状態などで塞がれることによってマイボーム腺に脂が溜まり、しこりができることになります。

霰粒腫の症状としては、まぶたの一部にしこりが生じて腫れることになりますが、しこり自体には細菌感染を起こしていないため痛みを感じることはありません。しかし、霰粒腫の場合でも細菌感染を合併することもあり、その場合赤く腫れて痛みをともなうこともあります。霰粒腫は、完治した場合でもしこりが残ってしまうことがあり、繰り返し症状が出ることもあります。

また、しこりが大きくなり過ぎた場合は、眼球を傷つける原因になったりするので摘出することが必要となります。

表皮嚢腫(粉瘤)

表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とは、アテローム粉瘤とも呼ばれる良性の皮膚腫瘍のことです。
表皮嚢腫は、身体のどこの部分にも生じることがありますが、特に顔や耳の後ろなどにできやすい腫瘍です。

目の周りにできるときは、基本的にまぶたにできることが多く見られます。表皮嚢腫は、毛穴部分の皮下に袋状の組織があり、そこに皮脂や角質などの老廃物が溜まりしこりができる症状のことです。初期の状態では特に問題となることはありませんが、細菌などの感染により炎症を引き起こす可能性があったり、皮膚を隆起させるほど大きくなったりします。

一般的に、表皮嚢腫は目薬や軟膏が効かず、放置していても治癒することはありませんので、手術して除去することになります。

目の周りのできものに対する治療法

目にできものができた時の治療法を紹介していきます。
市販の目薬などで治療することもできますが、症状がおさまらない場合しこりができてしまって何度も繰り返して症状が出る場合は、早めに眼科に行くことをおすすめします。

目薬や軟膏、内服薬で治療

目のできものの治療には、抗菌剤の入った目薬や眼軟膏、内服薬が使われることがあります。これらの治療法は、炎症や腫れを抑えたり、感染を防いだりするのに効果があります。目薬や眼軟膏は、直接目に投与されるので症状を改善するのに効果的な治療法です。

また、内服薬は体内から炎症を抑える効果があるため、症状に改善がみられない場合は内服薬の服用がおすすめです。

手術して治療

目のできものの治療として、切開手術を受けて膿や異物を取り出す方法があります。

麦粒腫の場合、腫れている部分に膿が溜まっているときは、切開手術をして膿を取り出します。霰粒腫の場合では、しこりが大きくなったり、しこりが気になるときは切開手術をおこなって異物を除去します。表皮嚢腫の場合は、老廃物などの内容物を取り除いた後に、袋状の組織自体をすべて除去する手術になります。

霰粒腫や表皮嚢腫の手術では、しこりを完全に除去してしまわないと再発の可能性がありますので、信頼できるクリニックでの治療が必要です。
そこで、実際に切開手術をおこなうのにおすすめな病院は形成外科です。形成外科では、体の表面の異常や変形の治療、失った機能や体の一部を修復する診療科となっていますので、このような手術には最適な病院となります。

専門的な技術や知識、実績がありますので、なかなかできものが治らず手術をお考えの方は、一度形成外科へ相談しに行くことをおすすめします。

目にできものができないための予防法

ここからは日常生活で、目にできものができないための予防法について紹介します。

目の周りを清潔にする

目の周りは常に清潔にしておき、汚れた手で目を擦ったりしないようにしましょう。
細菌感染が原因で目にできものができることがあるので、こまめに手洗いをして細菌の感染を防ぎましょう。

免疫力を低下させない

免疫力が低下していると、小さな細菌に触れることでも感染してしまうことがあります。
目の周りのできものは、季節の変わり目や疲れている時に起こりやすく、ストレスによる免疫力の低下が原因だと考えられます。

十分に睡眠や食事を摂り、免疫力の低下を防ぐことはとても重要です。

アイメイクやコンタクトレンズを控える

アイメイクをすることで、マイボーム腺を防いでしまうと炎症を起こす原因になるので、丁寧に洗い流しましょう。また、コンタクトも清潔にしておくようにしましょう。

目の周りにできものができてしまったら、アイメイクやコンタクトの使用を控えることも必要です。

ホットタオルなどでまぶたを温める

ホットタオルなどでまぶたを温めることは、マイボーム腺の脂が固まりにくくなるので有効な予防法といえます。

また、まぶたのマッサージをしてあげることでマイボーム腺がつまりにくくもなるので、洗顔時などにまぶたのマッサージをしてあげるようにしましょう。

まずは形成外科へ相談

目の周りのできものは自然治癒する場合もありますが、なかなか治らない場合は早めに病院に行くようにしましょう。

できものによってもいろいろな種類がありますので、ご自身で判断せずに専門のクリニックで相談しましょう。できものの切除手術は、形成外科へ相談するのがおすすめです。

当院では、単に治療するだけでなく手術後の傷跡をできるだけ目立たなくすることを重視して治療しています。また、手術の際は局所麻酔を用いて痛みを軽減させる工夫もおこなっていますし、切開手術は日帰りで手術に対応していますので入院が不要です。形成外科専門医による治療では、傷跡がなくきれいな仕上がりで痛みの少ない日帰り手術が可能となっていますので、一度お気軽にご相談ください。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。

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