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2021.03.29

前額部(おでこ)の脂肪腫 粉瘤と間違えやすい腫瘍 〜東京粉瘤日帰り手術クリニック〜

 

前額部の脂肪腫 

今回は前額部の脂肪腫摘出です。下に動画も貼り付けています

粉瘤と間違えて来院する患者様もいらっしゃいますが、脂肪腫は粉瘤とは全く別の腫瘍です。

カラダのどこにでも出来ますが、前額部、肩、後頚部に出来る事が多いです。原因ははっきりとは分かりませんが、脂肪腫には血管脂肪腫(angiolipoma)の良性のものから脂肪肉腫などの悪性のものまで存在します。6cm以上のものや筋肉内にあるものは悪性を考慮して切除する必要があります。

前額部には外骨腫という腫瘍も出来やすく、小さいものでは間違える場合があります。

術前のエコー検査で診断を行い手術を行いますが、エコーに慣れていないと、開けてビックリすることもあります。外骨腫であってもノミとツチさえあれば切除出来るので特に問題はありません。

正確な検査ではCTやMRI検査があげられます。分かりにくい腫瘍の場合には術前に画像検査をする場合もあります。

症例の続きです。

手術はオデコのシワに沿って切開を加えます。

前額部の脂肪腫

腫瘍の直上に切開を加え、アプローチします。

前額部の脂肪腫で注意することは頭の感覚を支配する神経(眼窩上神経、滑車上神経)を傷つけない事、脂肪腫が前頭筋下にあり骨上にあることです。

腫瘍が神経と絡んでいる場合には、神経を切らないと腫瘍を取れないこともあり、術前に説明が必要になります。

腫瘍は骨上にある事がほとんどなので、慣れていない場合には筋肉上の腫瘍をずっとさがしてしまい、筋肉を大きく傷つけてしまう場合があります。腫瘍が見つけられず、筋肉を切除して終わる先生もいます。

腫瘍を切除した状態です。

創部を縫合し、手術を終了しています。

今回は中縫いだけで創部を縫合しています。

この辺りは形成外科でも賛否両論ありますが、中縫いだけで創部が綺麗にあった場合には、それが一番キレイになるとも言われています。外縫いは中縫いが合わなかったときに補助的に高さを合わせるためでもあるので、創部の高さが合っている場合には必要ないこともあります。また外縫いを強く縫いすぎると糸の痕が残ってしまう場合もあります。線路のような傷跡になります。中縫いだけで創部を合わせるのは高い技術が必要になります。

また吸収糸がいいのか、ナイロンのような吸収しない糸で縫うのがいいのかも答えは出ていません。患者様は吸収糸がいいと思い込んでいる場合もありますし、先生でも吸収糸がいいと考えている先生も多いですが、一概には言えません。これについてはまたお話します。

最後に動画を貼り付けておきます。

形成外科専門医 古林玄