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2021.03.20

粉瘤と間違えやすい腫瘍【石灰化上皮腫】症状/治療法|ふるばやし形成外科粉瘤クリニック東京新宿院

石灰化上皮腫石灰化上皮腫

今回の症例は石灰化上皮腫です。最後に動画を貼り付けています。

石灰化上皮腫(毛母腫:pilomatorixoma)とは

名前の通り、皮膚の一部に石灰化が起こり硬い石のような塊が出来る良性腫瘍の一つです。毛母腫と言われることもあります。毛根にある毛母細胞を起源とする良性付属器腫瘍です。原因は分かっていませんが、若年者の腕や頸などに発生することが多く、女性に少し多い傾向があります。

症状

皮膚に硬いしこりを触れることで気づきます。基本的には痛みなどはありませんが、押すと痛みが出たり、痒みを感じることもあります。腫瘍が小さい場合には気づかない場合もありますが、大きくなると、皮膚が薄い部位では青黒い色に見えることもあります。カラダの中で作ったられたものになりますが、感染や異物反応を起こすことがあり、その際には痛みや痒みが強くなり、時には皮膚に穴が開いてしまう事もあります。また腫瘍は少しずつ大きくなり、自然になくなることはありません。

診断

診断は主にエコーで行います。皮下に高輝度エコーを認め、その下に音響陰影が見られるのが特徴です。炎症を起こしてしまうと音響陰影が消えてしまう場合があり、診断が難しくなる場合もあります。エコーでも診断できない場合もあり、粉瘤やその他の腫瘍と間違われやすく、手術を行い診断に至る場合もあります。レントゲンを行うことでも確認は出来ますが基本的にはエコーの方が簡便で侵襲もありません。部位によってはCTやMRIを使用する場合もあります。

術後の病理組織は石灰沈着を伴い、核部分が抜けた好酸性細胞集団(shadow cell)が認められます。

治療

外科的切除になります。内服や塗り薬、レーザーなどで治療することはできません。また悪性腫瘍との鑑別が必要な場合もありますので、術後は病理検査にて診断が必要になります。

 

今回の症例では約2.5㎝程の腫瘍でした。エコーで術前に石灰化上皮腫と判断し、手術を行いました。

石灰化上皮腫は石の塊なので、小さい穴で取り出すことは少し難しくなります。時には小さく穴を開け、石を小さく砕きながら摘出する場合もありますが、皮下に腫瘍が撒き散らされ、すべて取れないこともあります。そのため、その腫瘍が取り出せる範囲の切開を行い手術を行いました。

腫瘍の周囲を剥離し、腫瘍を一塊で摘出することが出来ました。

石灰化上皮腫

炎症が起こっている場合には腫瘍が一部溶けてしまい、摘出しにくくなることがあります。

皮下は空洞になっており、血腫が出来る可能性もあるため、皮下に16Gのサーフローを挿入し、閉創しました。

石灰化上皮腫

創部を閉創し、手術を終了としています。

石灰化上皮腫

形成外科専門医 古林玄