ほくろ除去を検討しているけれど、除去直後の状態やダウンタイムの期間など、不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。この記事では、除去方法別にダウンタイム中の症状や過ごし方などを詳しく解説していきます。この記事を読めば、ほくろ除去のダウンタイムについて理解することができるので、ぜひ参考にしてみてください。
ほくろ除去のダウンタイムはいつまで?
ほくろ除去をした後のダウンタイムは、治療法によって異なります。今回はCO₂レーザーと切開法を行った場合のダウンタイムや、日常生活での気になる点を比較しました。
治療法 | ダウンタイム | メイク | 洗顔 | 入浴 |
---|---|---|---|---|
CO₂レーザー | 約10日〜2週間 赤み・ひりつき 2週間以降 かさぶたが剥がれ、赤みも落ち着く |
3日程度は控えた方が良い | 当日、または翌日から可能 | 施術当日はシャワーのみ |
切開法 | 1週間 抜糸 2週間〜 赤みと腫れが引き始める |
保護テープの上からなら、当日から可能 | 患部を保護した状態で翌日から可能 | 保護テープをしたままで、当日から可能 |
このように、どちらの方法も2週間以降から赤みや腫れがおさまってくる傾向にあります。しかし個人差はありますが、切開法の方が傷が気にならなくなるまでの期間は長くなります。メイクや洗顔、入浴はどちらも患部を保護することで通常通り行うことができます。
除去方法別のダウンタイムのリアルな経過
施術後のダウンタイムの経過は、施術方法によって異なります。また個人差もあるため、気になることや痛みなどが強まると感じた場合は、医師の診察を受けましょう。
ほくろ除去後の典型的な処置例と、よくある症状を以下で解説します。
CO₂レーザーの経過
CO₂レーザーの主なダウンタイムの症状は【赤み】や【痒み】、【凹み】です。CO₂レーザー治療によるダウンタイムの経過は以下のとおりです。
経過 | 処置例 | よくある症状 |
---|---|---|
施術当日 | 拭き取りを行い、絆創膏やガーゼで覆っておきます。 | 患部にひりつきや熱感があります。 赤みが広がる場合があります。 |
2日目〜1週間程度 | 保護テープと軟膏処置をします。 | 赤みは目立ちますが、凹みは改善しかさぶたができ始めます。 |
1〜2週間程度 | かさぶたが自然に剥がれるまでは軟膏処置を継続します。 | かさぶたが剥がれ始め、ピンク色の皮膚が出てきます。 |
2週間〜1か月程度 | 保護テープを使用しなくてもよくなります。 | 赤みが落ち着いてきます。 色素沈着が起きる可能性があります。 |
2〜3か月程度 | 医師の指示を聞き、適切なケアをします。 | 傷跡が目立ちにくくなります。 |
施術から3か月程度で傷口は目立たなくなります。傷口が完全に閉じたらメイクも可能なので、患部を隠すこともでき、ダウンタイム中でも過ごしやすい施術といえます。
切開法の経過
切開法の場合はメスを用いるため、レーザーよりもダウンタイムが長くなります。場合によっては腫れや赤みに加え、痛みが生じることもあります。
切開法のダウンタイムの経過は以下のとおりです。
経過 | 処置例 | よくある症状 |
---|---|---|
施術〜3日程度 | 患部はガーゼで保護されています。 | 強い痛みや腫れがあります。 |
2日目〜1週間程度 | 1週間ほどで抜糸をします。 | 患部の腫れが残っています。 患部に痛みがあり、痒みが生じることもあります。 |
1〜2週間程度 | 感染予防のため、傷口の保護は継続します。 | 患部が乾燥することがあります。 切開した傷口はまだ目立ちます。 |
2週間〜1か月程度 | 保護テープと紫外線予防をしっかり行います。 | 赤みが引き、腫れが治まり始めます。 |
2か月〜半年程度 | 再発率が低いのが魅力ですが、気になることがあれば、すぐにクリニックに相談しましょう。 | 肌に馴染んで、傷口が目立たない状態になります。 |
切開法は施術後に抜糸が必要となります。しかし、切開法は大きなほくろも綺麗に除去できるのが特徴です。また、再発率が低い点も魅力であると言えるでしょう。
【シーン別】メイク・洗顔・仕事復帰はいつから?
ほくろ除去後は、仕事やメイクはいつからできるの?と不安になる方も多いでしょう。治療法によってダウンタイム中の日常生活も異なるため、それぞれどのような影響があるのか以下で解説します。
仕事は何日休む必要がありますか?
多くの場合、デスクワークであればお休みを取る必要はありません。
CO₂レーザー、切開法のいずれも、施術翌日からお仕事は可能です。ただし、患部に貼った保護テープが気になる方や、接客業など人前に出るお仕事の方は、週末などを利用して施術されると安心でしょう。ほくろの大きさや場所によっても変わりますので、カウンセリング時にご相談ください。
メイクはいつからできますか?
患部を避ければ、施術の翌日から可能です。
メイクは、保護テープを貼っている場合と軟膏を使用している場合によって異なります。保護テープを貼っている上からファンデーションやコンシーラーを使用することもできます。
軟膏を塗っている場合は、最初の3日程度はできるだけ軟膏のみ(施術箇所は日焼け止めなども避ける)にすることをおすすめします。ただ、難しい場合は刺激の少ないコスメや日焼け止めを使用し、その上から軟膏を塗ると良いでしょう。
洗顔やシャワーはいつから使用できますか?
当日から可能ですが、いくつか注意点があります。
施術当日はシャワーのみにするのがよいでしょう。また、絆創膏を交換する日以外は、絆創膏をつけたままシャワーを浴びます。絆創膏を貼っている期間は、長時間の入浴は控えましょう。また、洗顔は患部を擦らないように優しく洗い、刺激の強いスキンケア用品は避け、洗顔後はしっかり保湿を行うことが大切です。
ダウンタイム中に痛みや痒みが出たらどうすればいいですか?
痛みや痒みは、傷が治る過程で起こる正常な反応であることがほとんどです。
痒い場合も、掻かずに冷やすなどの対策をとりましょう。ただし、我慢できないほどの強い痛みや痒み、異常な腫れや出血など、不安な症状がある場合は自己判断をせず、クリニックに相談することが、安全で効果的な回復につながります。
ダウンタイムを長引かせないための4つの注意点
では、ダウンタイム中はどのように過ごす必要があるのでしょうか。ダウンタイムを長引かせないためにも、正しい過ごし方でダウンタイムを乗り切りたいものです。ここでは、ダウンタイムの正しい過ごし方を紹介します。
処方された軟膏・保護テープは指示通りに使う
ほくろ除去の施術後には、軟膏が処方されることがあります。軟膏には患部の保護や、炎症を抑える効果が期待できます。できるだけダウンタイムを長引かせないためにも、軟膏が処方された場合は用法、用量を守って使用するようにしましょう。
また、保護テープが処方された場合も、通常10日〜2週間程度は剥がさず過ごします。
紫外線対策と保湿を欠かさない
ほくろ除去後の肌はとても敏感になっています。赤みやかさぶたがある期間は、帽子や日傘、サングラスなどを積極的に使用し、色素沈着が長引かないようにします。きれいな仕上がりを目指すために、紫外線対策は徹底しましょう。
また、保湿をしっかりすることも重要です。保湿を継続的に行うことで肌の再生がスムーズになり、傷跡も目立ちにくくなります。
血行がよくなる運動を控える
ほくろ除去の手術から1週間程度は、血行がよくなる運動は控えましょう。運動以外にも、長時間の入浴や飲酒も、血行促進効果があるため注意が必要です。
体温が上昇すると血行が良くなります。その結果、患部が刺激されるので、傷が治りにくくなる可能性があります。施術当日から数日間は無理をせず、安静に過ごすことが肌の回復への近道になります。
患部への刺激は避ける
紫外線対策のために日焼け止めクリームを塗ることが推奨されますが、刺激の強い用品は避け、患部を擦らないようにすることが大切です。CO₂レーザーの場合にできるかさぶたは、自然に剥がれるまで無理に剥がさないようにしましょう。
不安な方は形成外科にご相談を
ほくろ除去のダウンタイム中は施術後の過ごし方やアフターケアが大切です。ダウンタイムの過ごし方に気を付ければ、ダウンタイムを短縮することも可能です。特に患部の清潔を保ち、紫外線対策を徹底しましょう。また、ダウンタイム中に体の異変や不安を感じたら、すぐに施術したクリニックを受診してください。正しい過ごし方で美しく整った仕上がりを目指しましょう。
院長紹介
日本形成外科学会 専門医 古林 玄
私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。
がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。
この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。
他にも多数の症例を解説しています。