ほくろを除去したのに、再発したのはなぜ?原因と再発予防を徹底解説

ほくろの除去は手軽にできる美容医療ですが、「やってみたいけど、失敗したらどうしよう」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか?ほくろの除去を検討しているけど、再発についての不安の声も少なくありません。。この記事では、ほくろ除去の再発率や再発する原因、アフターケアの方法について徹底的に解説します。

 

なぜ?ほくろ除去が再発する3つの原因

ほくろは除去しても、再発する場合があります。また、ほくろの大きさや深さによって再発するリスクは異なります。ここでは、再発につながる主な3つの原因を解説します。

ほくろが完全に除去されていなかった

ほくろは皮膚細胞ではなく、母斑細胞が増殖した状態です。母斑細胞が再び増殖すると再発の可能性があるため、しっかりと母斑細胞を切り取る必要があります。厄介なことに、黒い色を持っていない母斑細胞もあります。そのため、黒い部分だけをとっても、黒くない母斑細胞が残っており、また増えて盛り上がってくることもあるのです。

実はほくろが悪性だった

ほくろには良性と悪性があります。良性のほくろであれば、再発の可能性は低いですが、悪性だった場合、治療後も周囲に悪性細胞が残ってしまうことがあるため、再発のリスクが高いでしょう。治療前に、自身のほくろが良性と悪性のどちらに該当するのか、しっかり診断してから治療法を選ぶ必要があります。

施術後の紫外線対策・ケアが不十分だった

ほくろ除去後はバリア機能が低下しやすく、肌はいつも以上に敏感な状態です。特に紫外線からの刺激は、ほくろの再発の主な原因のひとつです。紫外線は、皮膚のメラノサイトと呼ばれる細胞を刺激し、メラニン色素の生成を促します。メラニン色素は本来、紫外線から皮膚を守る役割がありますが、過剰な生成はほくろの再発につながるのです。

 

ほくろ除去の再発率と再発時期の目安

「ほくろ除去って、どのくらいの確率で再発するの?」と心配な方も多いかもしれません。

再発率は治療法やほくろの種類によって様々で、「再発の定義」も研究によって違うため一概には言えません。ただ、あくまで目安として、治療法によっては10%前後で再発する可能性がある一方、切開法でしっかり取り除けば再発率は1%以下に抑えることも可能です。

再発する場合、多くは施術から3ヶ月から1年以内に見られます。大切なのは、ご自身のほくろの状態に合った治療法を専門医と相談して決めること。それが再発させない一番の近道です。

 

再発しにくい治療法

ほくろの種類や治療法で、除去後の再発は様々であることが前提ですが、そのうえで治療法と向いているほくろの種類を紹介します。

切除法(メスによる切除)

切除法は「ほくろを完全に除去すること」を前提としているため、再発のリスクが抑えられます。小さくても盛り上がったほくろや、大きいほくろの場合に推奨されています。切除を行うため傷が残りますが、1本の線状態の傷となり、時間の経過とともに目立ちにくくなります。また、切除法では、体のほとんどの部分のほくろを除去することが可能です。

くりぬき法

くりぬき法は専用のパンチ(円形のメス)を使用し、ほくろの根本から形に沿ってくり抜いて除去する方法です。5㎜以下のほくろや、皮膚の深い部分に根があるほくろの治療に適しています。この治療法は小さな穴を開けるだけなので、傷を最小限に抑えることがメリットです。さらに5㎜未満の場合、縫合の必要がなく、体の負担も少ないでしょう。また、ほくろの表面だけでなく母斑組織も取り除くため、再発のリスクは非常に低い治療法です。

レーザー治療

レーザー治療は、炭酸ガスレーザーやYAGレーザーなどを用いて、ほくろの細胞を蒸散・破壊する方法です。この方法は小さいほくろの治療に適しています。レーザー治療は切らずに除去できるため、傷跡が小さく済むことや術後のダウンタイムも短い傾向にあることがメリットです。手術までしたくないけれど、1回ではっきりとした治療結果が確認できる方法がいいという方に向いています。一方で、ほくろの根が深い場合は一度で取りきれず、再発のリスクが他の治療法よりわずかに高まる可能性があります。

 

失敗しないクリニックの選び方のポイント

クリニックがたくさんあって悩んでしまう方に、失敗しないクリニックの選び方のポイントを紹介します。

「形成外科専門医」など、ほくろ除去の専門医がいるか

ほくろ除去を検討している場合、皮膚科や美容外科で悩む方が多いかもしれません。しかし、実は形成外科という選択肢もあります。形成外科医は基本的に完全切除の治療が多く、再発や悪性所見の可能性も考慮した安全で確実な治療です。このような技術を持つ形成外科専門医がいるクリニックを選ぶことで、満足できる仕上がりが期待できるでしょう。

カウンセリングでリスクや費用を丁寧に説明してくれるか

ほくろ除去の治療法によってはリスクを伴うこともあります。そのため、最初のカウンセリング時に施術の種類、リスク、ダウンタイムや費用、アフターケアなどの詳しい説明があるクリニックを選びましょう。説明がわかりにくい、話を聞いてくれない医師では、不安なまま施術を受けることになりかねません。また、追加料金などがかかる場合もあります。明確な料金表がなく、あいまいな説明しかしてくれないクリニックは避けたほうがよいでしょう。

ほくろ除去の症例実績が豊富か

ほくろ除去は医師の技術によって仕上がりが変わってきます。カウンセリング時に過去の症例写真を確認したり、公式サイトでの口コミなども確認しましょう。より経験を積んだ医師に施術してもらえるように、ほくろ除去の実績が豊富なクリニックを選ぶことが大切です。

アフターケアや再発保証制度が手厚いか

適切なアフターケアは、傷跡を最小限に抑え、合併症を防ぐのにとても重要です。ほくろの除去が完了したからといって、その後何かあっても一切保証がないクリニックでは不安になります。術後の傷口がどのような状態なのか確認するためのアフターフォローや、再発してしまった場合の保証がどのようになっているのか、事前に確認しましょう。

 

再発を防ぐための正しいアフターケア

ほくろ除去後のアフターケアは非常に重要です。どんなことに気をつけるべきなのか紹介します。

傷口ケアの徹底

傷口を乾燥させないように、保湿クリームを塗りましょう。また、傷口を強くこすったり触らないようにし、かさぶたは自然に取れるまで無理に剥がさないことが大切です。

紫外線対策

日焼け止めを塗ったり、帽子や長袖の服を着用するなどして紫外線を避けるようにします。紫外線を浴びると皮膚が炎症を引き起こし、傷口の治療を妨げるリスクがあります。傷が治るまでの間、外出時には施術箇所に保護テープを貼ったり、帽子やサングラスなどで物理的に紫外線を遮断したりする対策を徹底しましょう。傷が完全に治り、新しい皮膚が再生した後は、その部分にも忘れずに日焼け止めを塗ることが大切です。また、十分な睡眠も免疫力を高めるため、傷の回復を早めます。

定期的な医師の診察

ほくろ除去後も定期的な診察を受けることで、再発の早期発見につながります。特に悪性のほくろだった場合、再発や転移の心配があります。定期的な検査で、医師が新たな異常を発見すれば、早期に対処できるため、再発を未然に防げる可能性が高まるでしょう。

生活習慣の改善

再発を防ぐためには、免疫力の向上が大切です。免疫力が向上することで、体内で傷の治療が促進されます。健康的な生活習慣を心がけ、栄養バランスを意識した食事で体作りに不可欠なビタミンやミネラルを摂取すると、再発のリスクの減少につながります。

 

再発した場合の対処法

万全なアフターケアをしていても、再発は完全には避けられません。万が一再発してしまった場合はどうすればよいのでしょうか。

医師に相談し、再発の原因の特定

まずは施術を受けたクリニックで再診を受け、現在の状態を診てもらいましょう。再発の原因は施術方法、ほくろの種類、アフターケアなどさまざまな要因が考えられます。再発した原因を特定すれば、適切な処置を受けることができます。

再発の程度によって、治療方法の検討

小さな再発であれば、塗り薬やレーザー治療で改善できる場合があります。再発の程度によっては経過観察で様子を見ることもあります。

再発が改善されない場合、別のクリニックで診察することも考える

治療法や医師の技術が合わなかった場合も考えられるため、再発を繰り返す場合は他のクリニックで診察を受けることも考えましょう。

 

ほくろの治療は当院にご相談ください

ほくろ除去後の再発は極めて低いですが、ほくろの状態や施術方法によっては起こりうることがあります。ほくろ除去に失敗しないためにも、自分に合った治療法やクリニックを選ぶことが大切です。また、アフターケアをしっかり行うことで、再発のリスクを抑えることができます。

当院では、患者様一人ひとりのお悩みやご希望をじっくりお伺いし、最適な治療法を一緒に見つけていくプロセスを最も重要視しています。ほくろに関するお悩みや治療への不安があれば、まずは一度、お気軽にカウンセリングへお越しください。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。

他にも多数の症例を解説しています。