レーザーでほくろ除去|他の治療法との違いや保険適用の条件も解説

「気になるほくろをきれいに取り除きたい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。

ほくろを除去する方法はいくつかありますが、傷跡が目立ちにくく、短時間で治療できるのが「レーザー治療」です

今回は、レーザー治療の原理やメリット、他の治療法との違いについて解説します。保険適用の条件や治療の流れ、よくある質問にも解説しますので、レーザー治療を検討している方はぜひ参考にしてください。

 

ほくろのレーザー治療とは

レーザー治療では、特定の波長の光を照射することで、皮膚の一部を破壊・除去することができます。皮膚科や美容皮膚科で多く用いられ、主に以下のような症状に高い効果を発揮します。

・ほくろ
・イボ
・シミ
・あざ
・血管腫

レーザーは切らずに治療できるため、美容目的での利用が広がっています。

ほくろを除去する方法はいくつかありますが、傷跡が目立ちにくく、短時間で治療できるのが「レーザー治療」です

 

治療の原理

レーザー治療は、光のエネルギーを利用して、対象となる組織を破壊する方法です。照射されるレーザー光は、色素や水分に吸収されやすい特性を持っています。

治療の目的に応じて、波長が選ばれます。例えば、ほくろ除去の場合はメラニン色素に反応するレーザーを使用し、色素細胞のみをピンポイントで破壊します。

皮膚の他の部分へのダメージが少ないため、回復も比較的早いのがレーザー治療の特徴です。

 

メリット

レーザー治療のメリットは、以下のとおりです。

・傷跡が小さく済む
・施術時間が短い
・出血が少ない
・ダウンタイムが短い

レーザー治療は、術後の傷がほとんど目立ちません。切開しないため、施術時間や回復時間が短くなります。他の治療方法に比べて、日常生活への影響が少ない治療です。

デメリット

レーザー治療のデメリットは、以下のとおりです。

・再発する可能性がある
・保険が適用されない
・施術対象に制限がある

視認できない深部の細胞が取り切れないと、再発するリスクがあります。また、サイズが大きいものや悪性の疑いがある症状には対応できません。

またほくろの治療で保険が適用されるのは、基本的にメスを使用する治療のみです。そのため、レーザー治療は保険適用外となります。

 

他の治療との違い

レーザー治療と、他の治療法の違いは以下のとおりです。

切除法(皮膚切除)

切除法は、メスを使用してほくろを切除する治療方法です。切開した箇所の縫合を行うため、術後は抜糸が必要になります。

ほくろが5mm以上、もしくは悪性の可能性がある場合に適応される方法です。切除法は、病理検査も同時に行えます。

ほくろを確実に取り切れるため、他の治療方法と比較すると再発のリスクがほとんどありません。回復までには、1~2週間程度の時間を要します。

レーザー治療

レーザー治療は、ほくろにレーザーを照射し、色素や組織を焼灼・蒸散して除去する治療方法です。2mm以下の小さなほくろや、シミ、イボなどに適応されます。

治療後は、赤みやかさぶたが数日~1週間程度残る可能性がありますが、他の治療方法と比較するとダウンタイムが短いことが特徴です。

レーザー治療は切開しないため、施術後の傷はほとんど目立ちません。そのため、美容目的で行うケースが多くあります。ただし、確実に取り切れないと再発する可能性があります。

高周波焼灼術

高周波焼灼術は、高周波電流の熱を利用してほくろを削り取り、細胞を破壊する治療方法です。外科手術では、止血のために使用される電気メスの治療器です。

再発の可能性も少ない治療方法ですが、深く削りすぎると正常な組織まで傷つけ、傷跡が残りやすくなります。そのため、深さをmm単位でコントロールできる医師の技術が求められます。

 

治療の流れ

レーザー治療の流れは、以下のとおりです。

・診察、カウンセリング
・施術
・術後のケア

それぞれの流れを詳しく解説します。

STEP1:診察・カウンセリング

まず、医師による診察とカウンセリングが行われます。具体的には、以下の項目を確認します。

・ほくろの状態
・レーザー治療ができるかどうか
・希望する治療方法ぼヒアリング
・治療内容と費用の説明

所要時間は、15~30分程度です。場合によっては、そのまま施術できるケースもあります。

STEP2:施術

施術は、以下の手順で行われます。

・局所麻酔
・レーザー照射
・治療後の措置

対象となるほくろの周囲に局所麻酔を行います。チクッとした痛みはありますが、麻酔後は痛みを感じることなく治療を受けられます。

レーザーを照射する時間は数分程度です。最後に止血と消毒を行い、保護テープを貼って終了です。

STEP3:術後のケア

術後すぐに、肌色のテープで傷口を保護します。テープは患部の保護や乾燥を防ぐ役割があり、3日~1週間ほど貼り続けることが推奨されています。

顔のほくろの除去の場合、施術当日は洗顔は避けましょう。メイクは傷口がふさがってから行うことが推奨されています。3~7日後が目安となりますが、傷の回復具合によって異なるため、詳しくは医師に相談しましょう。

 

ダウンタイム

レーザー照射後のダウンタイムは、個人差があります。たとえ小さな処置でも肌にダメージが加わるため、ダウンタイム(回復期間)が必要です。

具体的には、以下のような症状が見られます。

症状 回復期間
赤み・腫れ ・治療直後に赤みや軽い腫れが出る場合がある
・数日~1週間程度で落ち着く
かさぶた ・レーザーを照射してから2~3日後に形成される
・形成後は自然に剥がれ落ちるまで待つ(1週間~10日程度)
色素沈着 ・かさぶたが取れた後、一時的に色素沈着することがある
・個人差があるが数週間~数ヵ月以内に薄くなり目立たなくなる

ダウンタイム中は、患部を擦ったり触ったりしないように注意しましょう。外出時は日焼け対策を徹底することが大切です。

必要に応じて、医師に処方された保湿剤や軟膏を使って回復をサポートしましょう。

よくある質問

 

ここでは、ほくろ治療に関するよくある質問を紹介します。

治療したほくろが再発することはありますか?

レーザー治療の場合は、再発の恐れがあります。治療してから数年後に、ほくろが点状に出てくることはありますが、治療前の状態になることは滅多にありません。

レーザー治療は主に美容目的で行うものなので、再発を避けたい方はメスで除去する方が確実です。

傷跡が残りませんか?

ほくろの位置や深さによって、細かい凹凸や傷跡が残ります。とはいえ、白っぽく薄い傷跡なので、ほとんど目立ちません。目立つ傷跡になることは稀です。

ただし、ほくろの種類や部位、患者様の体質によって傷跡が目立つ可能性もあります。レーザー治療で予想される傷跡については、診察の際に詳しくお伝えします。

麻酔をしないと治療できませんか?

レーザーで皮膚を削るため、麻酔なしでは治療できません。麻酔は、ほくろ部分のみに行います。チクッとした痛みを感じる場合がありますが、激しい痛みを伴うことはありません。

ただし、小さいほくろや症状によっては、麻酔なしで治療をすることもあります。

ほくろの治療は当院にご相談ください

ほくろの診療で何より大切なことは患者様からお伺いする症状や状況です。

そのため、当院ではじっくりと患者様からお話をお伺いし、そのうえで綺麗な仕上がりになるよう患者様の症状や状況に合わせ、適切な治療法をご提案します。

少しでもほくろの除去について気になっている方はお気軽にご相談ください。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。

他にも多数の症例を解説しています。