大きいほくろは除去した方がよい?治療方法や注意点を解説

「ほくろが大きくなった気がする」

「大きなほくろが気になるけど、病院に行くほどじゃないかも…」

「大きいので除去したときに傷跡にならないか心配」

このように、お悩みを抱えたまま我慢していませんか?実際に「見た目が気になるからほくろを除去したい」と考える方は多くいます。しかし、大きなほくろは美容上の悩みだけでなく、病気が潜んでいる可能性もあります。特に、急に大きくなったり、色や形が変化したりするほくろには注意が必要です。

本記事では、大きいほくろのサイズの目安や治療方法、除去後のアフターケアについて解説します。大きなほくろも適切に処置すれば傷跡なくきれいに除去することができますよ。

 

大きいほくろのサイズや形状の目安

一般的なほくろの大きさは直径5mm以下で、6mmを超えると「大きいほくろ」に分類されます。「ほくろ」は医学的に「母斑細胞母斑」と呼ばれ、母斑(あざ)の一種に含まれます。小さいものは「ほくろ」と呼ばれますが、サイズだけで明確に区別されるものではありません。

大きいほくろは、見た目の問題だけでなく悪性黒色腫(メラノーマ)などの皮膚がんの可能性も考えられるため注意が必要です。

また、急に大きくなったほくろや、周囲と比べて明らかに異なる色をしているものも、医師の診察を受けるべきサインです。大きいほくろが必ずしも悪性というわけではありませんが、早期に医師に相談することが患者様の安心にもつながります。

 

放置はNG?悪性のほくろ(メラノーマ)を見分けるポイント

悪性のほくろ(メラノーマ)を見分ける際は、「ABCDEルール」が有効です。以下の症状に当てはまるかどうか、セルフチェックの参考にしてみてください。

  • ・Asymmetry(左右非対称)
  • ・Border(境界が不明瞭)
  • ・Color(色が不均一)
  • ・Diameter(直径が6mm以上)
  • ・Evolution(進行性の変化)

メラノーマは、早期に発見して適切に治療をすれば、完治が期待できる病気です。専門医による診断を受けることで、症状を正確に把握でき、適切な治療計画を立てられます。気になる症状がある場合は、迷わず医師に相談しましょう。

 

自分で処置するのは危険!病院での対応が必要な理由

ほくろが気になるからといって、自分でほくろを削ったり、ハサミなどで除去したりする行為は非常に危険です。自分で処置をすると、以下のようなリスクがあります。

  • ・感染症を起こす
  • ・出血が止まらなくなる
  • ・傷跡が大きく残る
  • ・再発や炎症を繰り返す
  • ・悪性だった場合に発見が遅れる

ほくろは、見た目だけで良性か悪性かを判断することはできません。自己判断で放置したり自分で処置したりすることは避け、適切な治療を受けましょう。

 

ほくろの治療方法

ほくろの治療は、良性・悪性の判断から始まります。その上で、以下のような治療方法が選択されます。

6mm以上なら切除手術が基本

直径6mm以上を超える大きなほくろは、メスを使用した切除手術が基本となります。切除した組織は病理検査に回され、良性か悪性かを正確に判断できます。切除術のメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット デメリット ・確実に除去できる
・病理検査を行える
・再発のリスクが少ない
・一度で治療が完了することが多い ・縫合が必要になる
・傷跡が残る可能性がある
・ダウンタイムが比較的長い

切除術は、確実に取り除きたい場合や悪性の疑いがある場合に選択される治療方法です。

レーザー治療ができるケース

良性と診断された比較的小さいほくろであれば、レーザー治療が選択できることもあります。ただし、直径6mm以上の大きなほくろには不向きです。レーザー治療のメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット デメリット ・傷跡が目立ちにくい
・ダウンタイムが短い
・出血がほとんどない ・病理検査ができない
・再発の可能性がある
・根が深いほくろには効果が薄い
・美容目的の場合は保険適用外になる

レーザー治療は、小さめで良性のほくろや見た目を重視する場合に適した治療方法です。

 

ほくろの除去が保険適用になる条件

ほくろの除去は、健康保険が適用されることがあります。ここでは保険適用の条件と、初診時に確認しておきたいポイントを解説します。

保険適用される条件

ほくろの切除が保険適用となるのは、以下のような場合です。

  • ・悪性の疑いがある場合
  • ・医師が医学的に除去が必要と判断した場合

摩擦で出血や炎症を繰り返す、かゆみや痛みがある、日常生活に支障をきたしているなどのケースでは、保険適用が認められることがあります。

一方で、良性と診断され「見た目が気になるから除去したい」という美容目的の場合は保険適用外となり、自由診療となります。

初診時に確認すべきポイント

治療を後悔しないためにも、初診時に以下の点を確認しておきましょう。

  • ・保険適用になるかどうか
  • ・どのような治療方法が選択されるのか
  • ・ダウンタイム(回復までの期間)の目安はどれくらいか

また、診察時には次のような気になる症状をできるだけ詳しく医師に伝えることも大切です。

  • ・ほくろの大きさや色の変化
  • ・出血やかゆみの有無
  • ・炎症や痛みなど日常生活への影響

正確な診断と適切な治療方針を立てるためには、些細なことでも遠慮せずに相談することが大切です。

 

ダウンタイムと傷跡を目立たなくするためのポイント

大きいほくろを除去した後は、ダウンタイムの過ごし方や傷跡のケアが仕上がりを左右します。

ほくろの切除手術後のダウンタイム

一般的に、切除手術後のダウンタイムは2~3ヵ月程度といわれています。術後は縫合部分の赤みや盛り上がりが目立つことがありますが、時間の経過とともに徐々に目立たなくなります。

きれいな仕上がりを目指すためには、ダウンタイム中に以下のようなケアを行いましょう。

  • ・術後数日は患部を濡らさないようにする
  • ・決められたタイミングで通院し抜糸を行う
  • ・激しい運動・入浴やメイクの再開は医師の指示に従う

医師の指示を守り、焦らずに経過を見守ることが大切です。

傷跡を目立たなくするためのポイント

術後の傷跡をできるだけ目立たなくするためには、以下のようなケアが大切です。

  • ・医療用の保護テープで傷跡を保護する
  • ・紫外線対策を徹底する
  • ・保湿をしっかり行う

術後の患部は非常にデリケートな状態になっています。かゆみやかぶれなど、皮膚に異変を感じた場合は、すぐに医師に相談しましょう。

 

当院のほくろの治療について

ほくろの診療で大切なのは、患者様一人ひとりの症状やご希望に合わせた対応です。そのため、当院では治療の前に丁寧な問診と診察を行い、安心して治療を受けていただけるよう心がけています。

悪性の疑いがある場合は切除手術を行い、病理検査で正確な診断を行います。安全性を第一にしながら、できるだけ傷跡が目立たない仕上がりを目指し、患者様に適した治療方法を提案しています。

また、女性医師による診察・手術も行っているため、デリケートなお悩みも安心してご相談いただけます。

 

ほくろの治療は当院にご相談ください

直径6mm以上の大きなほくろは、見た目の問題だけでなく健康面でも注意が必要な症状です。特に、急に大きくなったり、色や形が変化したりするほくろには注意が必要です。

皮膚がんであった場合は、早期発見・早期治療が治療の成功率を大きく左右します。大きなほくろを放置したり自分で処置したりすることはリスクが高いため、病院での適切な処置が必要です。気になる症状やお悩みなど、どんなことでもお気軽にご相談ください。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。

他にも多数の症例を解説しています。