お尻にしこりができて痛い時の対処法は?気になる治療法を徹底解説

お尻にしこりができて痛みを感じた場合は、毛嚢炎やニキビ、毛巣洞などの疾患が潜んでいる可能性があります。そのため痛みや違和感があるときは、まずは正しい対処法を知ることが重要です。そして日数が経っても症状が改善しない場合は、医師に相談することを推奨します。この記事では、お尻のしこりができる主な疾患の特徴や効果的な治療法を徹底解説します。おしりにしこりができて痛い時は、自己診断はせずに早めのケアが大切です。

おしりにしこりができる原因

おしりにしこりができる主な原因は、下着や衣類による蒸れやすい環境であり、これが細菌の増殖を招きます。特に、高温多湿な環境と皮脂が結びつくことで、おしりが細菌の繁殖しやすい場所となるため、しこりができやすくなります。そして下着や衣類との摩擦も原因の一つで、おしりの皮膚が傷つくと、炎症やしこりの原因に繋がりかねません。このような細菌の繁殖とおしりが傷つくことで、おしりにしこりが発生することがあります。未然に防ぐためにも、清潔習慣や通気性のある下着の使用を心がけることが、おしりのしこりを予防する重要なポイントとなります。

お尻にしこりができやすい疾患と治療法

お尻にしこりができやすい疾患は様々な種類が存在します。

・毛嚢炎
・ニキビ
・毛巣洞

ここでは、最も発生頻度の高い3つの疾患と治療法について解説します。

毛嚢炎

毛嚢炎は、主に毛穴周辺で生じる炎症性の疾患です。皮脂の多いお尻や背中などに発生しやすく、赤みのあるぶつぶつが見られることが一般的です。また、毛穴が感染により膿を含んだ隆起を形成することもあります。そして毛嚢炎は一つの毛穴だけでなく、複数の毛穴にわたって発生することもあり、広がりやすい性質があるため注意が必要です。炎症が進行すると、毛穴周辺が盛り上がり、腫れが生じることがあります。これにより、おしりにしこりが形成され、痛みや不快感を感じやすくなるでしょう。

治療法

毛嚢炎は、自然に治癒することもあります。しかし症状が改善しない場合や悪化した際は、切開手術や薬物療法が行われます。切開手術では、膿を排出するために行われ、術後は再感染が起きないように清潔に保つことが大切です。そして免疫機能が低下していたり、感染が広がっていたりする場合は、切開手術ではなく抗菌薬による治療を行う場合があります。症状の進行に応じて適切な治療法が異なり、早期の医療相談が重要になります。悪化すると、跡に残りやすくなるため、早めに治療を受けることが重要です。

ニキビ

ニキビは特に顔に発生しやすいですが、他にもお尻や背中など様々な場所で発生するできものです。ニキビには、白ニキビと黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビなどの種類があります。白ニキビは初期の毛穴の詰まりで、黒ニキビはその進行形で毛穴が開き、酸化して黒く見えます。赤ニキビは炎症を伴い、黄ニキビは化膿した状態で黄色く見えることのあるニキビです。ニキビを放置するとしこりや痕跡を残す可能性があるため早期の治療が大切になります。おしりにできるニキビは、摩擦や蒸れが続くことで発生しやすくなるため、定期的なケアを行うようにしましょう。

治療法

主なニキビの治療法は、日常の清潔なケアが基本です。刺激の少ない石鹸を使用し、乾燥しすぎないように保湿も行いましょう。軽度の場合は市販のニキビ用薬を試してみることもできますが、症状が悪化した場合はニキビの部分を切除する手術を行う時もあります。頻繁にニキビが出来る場合は、粉瘤になる可能性もあるため注意が必要です。治療法はにきびの状態により異なりますが、悪化、繰り返す場合は、早めに適切な治療を行いましょう。

毛巣洞

毛巣洞は毛穴が慢性的に詰まり、膿がたまりやすくなる状態を指します。繰り返し発生しやすく、痛みや腫れが続くことがあります。毛巣洞は主に体毛の濃い男性や、長時間座位で過ごす職業の人に多いです。毛巣洞の重要なポイントは、感染が繰り返されると有棘細胞癌の発生リスクが増加する可能性があることです。適切なケアが重要であり、放置せずに早めに病院でケアを行うことを推奨します。

治療法

毛巣洞の治療は、手術が一般的です。手術では、毛巣洞の原因を切り取り、同時に腫瘍とばい菌の原因を取り除きます。感染が軽度な場合は内服薬で様子を見ることもありますが、根本的な治療は毛巣洞を切除する手術が重要と言えるでしょう。手術では、主に局所麻酔を使用して行われ、感染の程度によって治療方法が異なります。悪化すると有棘細胞癌を発生するリスクが高まるため、早期に治療を行いましょう。

おしりにできた痛いしこりは何科を受診する?

おしりにできたしこりは、一般的に形成外科や皮膚科で治療できます。

・形成外科
・皮膚科

ここでは、それぞれ治療科の特徴について解説します。

形成外科

形成外科では、体の表面全体を治療する外科です。形成外科ではおしりの痛いしこりを、外科的手法を用いて効果的な治療を行えます。そして治療を行うことはもちろんのこと、傷跡をできるだけ目立たないようにも心がけています。そのため、おしりにできたしこりは、形成外科は適切な治療科と言えるでしょう。形成外科医は、熟練した技術と美容的な視点を組み合わせ、安心と満足のできる治療を提供しています。

皮膚科

皮膚科は、皮膚やその周辺のトラブルに特化した診療科で、おしりにできたしこりや腫れに対する診断と治療を行います。皮膚科医は、特に皮膚症状や疾患に精通しており、適切で効果的な治療法を提供してくれます。皮膚科では、専門的な知識と経験に基づいた診断を行い、薬物療法や外科的処置など治療を行う医療機関です。皮膚科は美容治療やアレルギー対応なども含め、幅広い皮膚の悩みの治療を行えます。

しこりはがんの可能性も?放置した場合のリスク

おしりにできたしこりの疾患によっては、がんの可能性もあるため注意が必要です。初期の段階では、がんではない場合でも、放置することでがんへと変異することがあります。他にも、放置すると傷跡が残ったり、慢性的な症状が発生しやすくなる可能性が高くなります。おしりにできたしこりは、早期の診断と治療が重要で、進行すると生活にも影響を与える場合もあるため注意が必要です。おしりのしこりに異常を感じた場合は、早めに診断を受け、必要な検査や治療を行うことが重要

日常生活で気を付けるポイント

ここでは、日常生活で気を付ける2つのポイントを解説します。

・通気性のよい衣類を着用
・患部を清潔に保つ

通気性のよい衣類を着用

おしりは特に蒸れやすく菌が増殖しやすい場所であるため、通気性の良い下着を着用するようにしましょう。通気性が十分な素材は湿気を逃がし、細菌の繁殖を防ぎます。また、衣類とおしりの摩擦を減らすため、締めつけの少ないやわらかい素材の下着を選択しましょう。衣類に気をつけることで、おしりの快適な環境を保ち、しこりの発生リスクを軽減できます。

患部を清潔に保つ

しこりが出来た部分は、特に清潔に保つことが大切です。そして刺激の少ない洗剤で優しく洗いましょう。毎日の入浴を欠かさず行い、患部を適切に清潔に保つことで感染や炎症のリスクを低減できます。そして入浴後には、特に乾燥しやすい状態であるため、保湿ケアを行うといいでしょう。また、清潔な下着や衣類を着用することも大切です。おしりの清潔を保つことで、治療効果を高め、症状の悪化を予防できます。

まとめ

お尻にしこりができて痛みを感じた場合は、まず症状の軽減を図るために清潔な状態を保つことが重要です。数日たっても痛みが続く場合や悪化する場合は、病院で診察を行うことを推奨します。主な疾患は、毛嚢炎やニキビ、毛巣洞などが考えられますが、自己判断を避け、早めの医療相談が大切です。そしてしこりを放置すると、繰り返し慢性的にできる場合や、悪性の腫瘍に変異する場合もあるため注意が必要です。おしりに痛みを伴うしこりがある場合は、皮膚のできものの治療を得意とする当院にお任せ下さい。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。