首の粉瘤でお悩みの方必見!似ている疾患2種や手術まで徹底解説!

首の粉瘤で悩まれている方はいらっしゃいませんか?
おなかや背中と違って首は人の目につく場所ということもあってなかなか隠すのは難しいですよね。
特に夏場は首元がすっきりして、目立ってしまうと思います。
粉瘤は自然に治ることがなく、手術が必須です。

この記事では粉瘤についての概要、首にできる粉瘤の類似疾患、摘出手術について解説しています。
ぜひ最後までご覧ください。

粉瘤について

概要

粉瘤はアテロームや表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とも呼ばれます。
簡単にまとめると皮膚の下にできる良性の腫瘍です。
多くの場合は皮膚が盛り上がり、丸いしこりのような形で、中央に開口部と呼ばれる黒い点のようなものがあります。
大きさは数ミリ程度ですが、そのままにしておくと、10センチを超えるほど巨大化することもあります。
異常なスピードで大きくなるケースもあるため、異変を感じたら早急な受診を強くオススメします。

粉瘤の正体は、垢(角質)や皮脂などの老廃物が、皮膚の下の袋上組織に溜まったものです。
本来であれば、それらの老廃物は勝手に皮膚から剥げ落ちていくものですが、袋があることで体内に溜まってしまうのです。
粉瘤ができる原因は明らかになっていませんが、細菌感染や外傷が原因とされています。他者に感染することはありません。 

炎症性粉瘤

粉瘤は炎症を起こすと赤く発色して、日を追うごとに急激に膨らむようになります。
そして激しい痛みを伴うことが多いため、早急な対応が必要です。

炎症が起きる要因としては、老廃物が袋を飛び出して皮膚内部に広がってしまうことや、細菌感染、異物反応などが挙げられます。
自然に炎症反応を起こしてしまうこともありますが、粉瘤をニキビのように潰して中身を出そうとしたときに炎症反応が起きるケースが多いです。
そのため、決して自ら粉瘤をつぶさないように気をつけて下さい。
粉瘤は中身を摘出しても、袋状の組織がそのままになっていると、そこへ老廃物がたまります。
このようなサイクルで粉瘤は何度も再発してしまうため、炎症が起きる前の早期の段階で摘出手術をおすすめしています。

首にできる粉瘤の類似疾患

粉瘤は体のどこでもできる可能性はあり、特に首や顔、背中などにできやすいため、首の粉瘤でお悩みの方は多くいらっしゃいます。
粉瘤は自然に消えないため手術は必須ですが、その前に本当に粉瘤かどうかを見極めることも重要です。
首にできやすく粉瘤と似ている疾患を2つ挙げますので、ぜひチェックしてみてください。

ニキビ

ニキビは毛穴の炎症のことを指します。
毛穴に皮脂が詰まった白ニキビから、皮脂が酸化すると黒ニキビとなり、皮脂によりアクネ菌が繁殖すると赤ニキビとなります。
このようにニキビは状態によって色が変化します。

ニキビと聞くと顔にできるイメージですが、胸や背中、首にもできる可能性は十分あります。
またニキビはつぶしても匂いはしませんが、粉瘤は強く押してしまうとドロドロした物質が出て臭いニオイを放ちます。
このように粉瘤とニキビを見極めるには、表面の色や中央の黒点の有無、臭いなどが挙げあられます。

脂肪腫

脂肪腫は、脂肪組織が増殖することによって生じた脂肪の塊が薄い膜に包まれたもので、ゆっくりではありますが着実に大きくなる腫瘍です。
粉瘤と脂肪腫は、体のどこにでもできて、しこりのような見た目で、自然消滅しない良性腫瘍である共通点があります。
粉瘤は皮膚に触れると硬く弾力があり、脂肪腫はゴムのようなやわらかさを感じます。
脂肪腫に関しては、通常は痛みやかゆみを伴うことはありませんが、腫瘍が神経を圧迫してしまうときや毛細血管を伴う血管脂肪腫が多発したときは、違和感や痛みを起こします。

摘出手術について

次に粉瘤の摘出手術を2つ説明します。

手術方法

【切開法】
切開法は、粉瘤の真上の皮膚を切開して粉瘤を摘出するというシンプルなものです。
膨らんだ粉瘤をそのまま一直線に切ると、中身を摘出した時に膨らんでいた分の皮膚が余ってしまうため、楕円のような形に切開します。
老廃物と袋状の組織をしっかり残さずに摘出した後、縫合を行います。
綺麗に縫合すれば時間が経つにつれて傷跡も目立たなくなります。

【くり抜き法】
くり抜き法はトレパンと呼ばれる丸い刃型の特殊なメスで丸い小さな穴を開け、袋の内容物を揉み出し、粉瘤の袋がしぼんだ状態で摘出する手法です。
切開法と比較すると、最小限の傷跡しか残らず、小さいものであれば5分程度で手術は終わります。

このように2つの手法がありますが、粉瘤の状態によって最適な摘出方法は異なります。
当クリニックでは、患者様の不安を少しでも解消できるよう寄り添い、それぞれの患者様に合った治療方法を選択できるよう事前のご説明、ご相談を大切にしています。

麻酔

どちらの方法も皮膚に穴をあけて粉瘤を摘出するため、手術の際は局所麻酔を用いて痛みを軽減させます。
局所麻酔をした場合の手術の痛みは、歯科で麻酔をしてもらって親知らずを抜く時のイメージと変わらないでしょう。ほとんど痛みを感じることはありません。
当クリニックでは、局所麻酔を注射する際も、極細の針を使用し薬剤の配合も工夫するなど痛みを軽減する配慮を行っています。

手術後の注意点

術後は患部にガーゼを貼り帰宅していただきます。
1~3日はガーゼが血で滲むため毎日ガーゼを交換します。
シャワーで傷を水に濡らしても問題ありませんが、必ず新しいガーゼに交換してください。
入浴は感染の可能性があるため抜糸までは避けてください。
傷痕は2~3週間で一度硬くなり、徐々に柔らかくなっていきます。
また、手術当日・翌日は飲酒、運動や入浴は出血のリスクがあるため控えてください。

まとめ

粉瘤はまず、似ているニキビや脂肪腫と見極めることが大切です。
自然完治しないので、根本解決には摘出手術が必要です。
手術の際は局所麻酔を用いて痛みを軽減させます。

粉瘤は少しずつ着実に大きくなり、とある拍子に炎症を起こしたり、合併症を引き起こしたりする可能性があります。
粉瘤かどうかわからない、摘出したいけど不安な点があるなど、お悩みの方は早急に診断をおすすめします。

当クリニックは、東京都新宿駅東口より徒歩5分のアクセスで、土日診療も対応可能です。
まずは気軽にご相談ください。

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