大きいほくろは除去した方がよい?治療方法や注意点を解説
- 大きいほくろのサイズや形状の目安
- 放置はNG?悪性のほくろ(メラノーマ)を見分けるポイント
- 自分で処置するのは危険!病院での対応が必要な理由
- ほくろの治療方法
- ほくろの除去が保険適用になる条件
- ダウンタイムと傷跡を目立たなくするためのポイント
- 当院のほくろの治療について
「ほくろが大きくなった気がする」
「大きなほくろが気になるけど、病院に行くほどじゃないかも…」
「大きいので除去したときに傷跡にならないか心配」
このように、お悩みを抱えたまま我慢していませんか?実際に「見た目が気になるからほくろを除去したい」と考える方は多くいます。しかし、大きなほくろは美容上の悩みだけでなく、病気が潜んでいる可能性もあります。特に、急に大きくなったり、色や形が変化したりするほくろには注意が必要です。
本記事では、大きいほくろのサイズの目安や治療方法、除去後のアフターケアについて解説します。大きなほくろも適切に処置すれば傷跡なくきれいに除去することができますよ。
大きいほくろのサイズや形状の目安
一般的なほくろの大きさは直径5mm以下で、6mmを超えると「大きいほくろ」に分類されます。「ほくろ」は医学的に「母斑細胞母斑」と呼ばれ、母斑(あざ)の一種に含まれます。小さいものは「ほくろ」と呼ばれますが、サイズだけで明確に区別されるものではありません。
大きいほくろは、見た目の問題だけでなく悪性黒色腫(メラノーマ)などの皮膚がんの可能性も考えられるため注意が必要です。
また、急に大きくなったほくろや、周囲と比べて明らかに異なる色をしているものも、医師の診察を受けるべきサインです。大きいほくろが必ずしも悪性というわけではありませんが、早期に医師に相談することが患者様の安心にもつながります。
放置はNG?悪性のほくろ(メラノーマ)を見分けるポイント
悪性のほくろ(メラノーマ)を見分ける際は、「ABCDEルール」が有効です。以下の症状に当てはまるかどうか、セルフチェックの参考にしてみてください。
- ・Asymmetry(左右非対称)
- ・Border(境界が不明瞭)
- ・Color(色が不均一)
- ・Diameter(直径が6mm以上)
- ・Evolution(進行性の変化)
メラノーマは、早期に発見して適切に治療をすれば、完治が期待できる病気です。専門医による診断を受けることで、症状を正確に把握でき、適切な治療計画を立てられます。気になる症状がある場合は、迷わず医師に相談しましょう。
自分で処置するのは危険!病院での対応が必要な理由
ほくろが気になるからといって、自分でほくろを削ったり、ハサミなどで除去したりする行為は非常に危険です。自分で処置をすると、以下のようなリスクがあります。
- ・感染症を起こす
- ・出血が止まらなくなる
- ・傷跡が大きく残る
- ・再発や炎症を繰り返す
- ・悪性だった場合に発見が遅れる
ほくろは、見た目だけで良性か悪性かを判断することはできません。自己判断で放置したり自分で処置したりすることは避け、適切な治療を受けましょう。
ほくろの治療方法
ほくろの治療は、良性・悪性の判断から始まります。その上で、以下のような治療方法が選択されます。
6mm以上なら切除手術が基本
直径6mm以上を超える大きなほくろは、メスを使用した切除手術が基本となります。切除した組織は病理検査に回され、良性か悪性かを正確に判断できます。切除術のメリット・デメリットは以下のとおりです。
・病理検査を行える
・再発のリスクが少ない
・一度で治療が完了することが多い
・傷跡が残る可能性がある
・ダウンタイムが比較的長い
切除術は、確実に取り除きたい場合や悪性の疑いがある場合に選択される治療方法です。
レーザー治療ができるケース
良性と診断された比較的小さいほくろであれば、レーザー治療が選択できることもあります。ただし、直径6mm以上の大きなほくろには不向きです。レーザー治療のメリット・デメリットは以下のとおりです。
・ダウンタイムが短い
・出血がほとんどない
・再発の可能性がある
・根が深いほくろには効果が薄い
・美容目的の場合は保険適用外になる
レーザー治療は、小さめで良性のほくろや見た目を重視する場合に適した治療方法です。
ほくろの除去が保険適用になる条件
ほくろの除去は、健康保険が適用されることがあります。ここでは保険適用の条件と、初診時に確認しておきたいポイントを解説します。
保険適用される条件
ほくろの切除が保険適用となるのは、以下のような場合です。
- ・悪性の疑いがある場合
- ・医師が医学的に除去が必要と判断した場合
摩擦で出血や炎症を繰り返す、かゆみや痛みがある、日常生活に支障をきたしているなどのケースでは、保険適用が認められることがあります。
一方で、良性と診断され「見た目が気になるから除去したい」という美容目的の場合は保険適用外となり、自由診療となります。
初診時に確認すべきポイント
治療を後悔しないためにも、初診時に以下の点を確認しておきましょう。
- ・保険適用になるかどうか
- ・どのような治療方法が選択されるのか
- ・ダウンタイム(回復までの期間)の目安はどれくらいか
また、診察時には次のような気になる症状をできるだけ詳しく医師に伝えることも大切です。
- ・ほくろの大きさや色の変化
- ・出血やかゆみの有無
- ・炎症や痛みなど日常生活への影響
正確な診断と適切な治療方針を立てるためには、些細なことでも遠慮せずに相談することが大切です。
ダウンタイムと傷跡を目立たなくするためのポイント
大きいほくろを除去した後は、ダウンタイムの過ごし方や傷跡のケアが仕上がりを左右します。
ほくろの切除手術後のダウンタイム
一般的に、切除手術後のダウンタイムは2~3ヵ月程度といわれています。術後は縫合部分の赤みや盛り上がりが目立つことがありますが、時間の経過とともに徐々に目立たなくなります。
きれいな仕上がりを目指すためには、ダウンタイム中に以下のようなケアを行いましょう。
- ・術後数日は患部を濡らさないようにする
- ・決められたタイミングで通院し抜糸を行う
- ・激しい運動・入浴やメイクの再開は医師の指示に従う
医師の指示を守り、焦らずに経過を見守ることが大切です。
傷跡を目立たなくするためのポイント
術後の傷跡をできるだけ目立たなくするためには、以下のようなケアが大切です。
- ・医療用の保護テープで傷跡を保護する
- ・紫外線対策を徹底する
- ・保湿をしっかり行う
術後の患部は非常にデリケートな状態になっています。かゆみやかぶれなど、皮膚に異変を感じた場合は、すぐに医師に相談しましょう。
当院のほくろの治療について
ほくろの診療で大切なのは、患者様一人ひとりの症状やご希望に合わせた対応です。そのため、当院では治療の前に丁寧な問診と診察を行い、安心して治療を受けていただけるよう心がけています。
悪性の疑いがある場合は切除手術を行い、病理検査で正確な診断を行います。安全性を第一にしながら、できるだけ傷跡が目立たない仕上がりを目指し、患者様に適した治療方法を提案しています。
また、女性医師による診察・手術も行っているため、デリケートなお悩みも安心してご相談いただけます。
ほくろの治療は当院にご相談ください
直径6mm以上の大きなほくろは、見た目の問題だけでなく健康面でも注意が必要な症状です。特に、急に大きくなったり、色や形が変化したりするほくろには注意が必要です。
皮膚がんであった場合は、早期発見・早期治療が治療の成功率を大きく左右します。大きなほくろを放置したり自分で処置したりすることはリスクが高いため、病院での適切な処置が必要です。気になる症状やお悩みなど、どんなことでもお気軽にご相談ください。
院長紹介
日本形成外科学会 専門医 古林 玄
私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。
がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。
この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。
他にも多数の症例を解説しています。
ほくろを除去したのに、再発したのはなぜ?原因と再発予防を徹底解説
ほくろの除去は手軽にできる美容医療ですが、「やってみたいけど、失敗したらどうしよう」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか?ほくろの除去を検討しているけど、再発についての不安の声も少なくありません。。この記事では、ほくろ除去の再発率や再発する原因、アフターケアの方法について徹底的に解説します。
なぜ?ほくろ除去が再発する3つの原因
ほくろは除去しても、再発する場合があります。また、ほくろの大きさや深さによって再発するリスクは異なります。ここでは、再発につながる主な3つの原因を解説します。
ほくろが完全に除去されていなかった
ほくろは皮膚細胞ではなく、母斑細胞が増殖した状態です。母斑細胞が再び増殖すると再発の可能性があるため、しっかりと母斑細胞を切り取る必要があります。厄介なことに、黒い色を持っていない母斑細胞もあります。そのため、黒い部分だけをとっても、黒くない母斑細胞が残っており、また増えて盛り上がってくることもあるのです。
実はほくろが悪性だった
ほくろには良性と悪性があります。良性のほくろであれば、再発の可能性は低いですが、悪性だった場合、治療後も周囲に悪性細胞が残ってしまうことがあるため、再発のリスクが高いでしょう。治療前に、自身のほくろが良性と悪性のどちらに該当するのか、しっかり診断してから治療法を選ぶ必要があります。
施術後の紫外線対策・ケアが不十分だった
ほくろ除去後はバリア機能が低下しやすく、肌はいつも以上に敏感な状態です。特に紫外線からの刺激は、ほくろの再発の主な原因のひとつです。紫外線は、皮膚のメラノサイトと呼ばれる細胞を刺激し、メラニン色素の生成を促します。メラニン色素は本来、紫外線から皮膚を守る役割がありますが、過剰な生成はほくろの再発につながるのです。
ほくろ除去の再発率と再発時期の目安
「ほくろ除去って、どのくらいの確率で再発するの?」と心配な方も多いかもしれません。
再発率は治療法やほくろの種類によって様々で、「再発の定義」も研究によって違うため一概には言えません。ただ、あくまで目安として、治療法によっては10%前後で再発する可能性がある一方、切開法でしっかり取り除けば再発率は1%以下に抑えることも可能です。
再発する場合、多くは施術から3ヶ月から1年以内に見られます。大切なのは、ご自身のほくろの状態に合った治療法を専門医と相談して決めること。それが再発させない一番の近道です。
再発しにくい治療法
ほくろの種類や治療法で、除去後の再発は様々であることが前提ですが、そのうえで治療法と向いているほくろの種類を紹介します。
切除法(メスによる切除)
切除法は「ほくろを完全に除去すること」を前提としているため、再発のリスクが抑えられます。小さくても盛り上がったほくろや、大きいほくろの場合に推奨されています。切除を行うため傷が残りますが、1本の線状態の傷となり、時間の経過とともに目立ちにくくなります。また、切除法では、体のほとんどの部分のほくろを除去することが可能です。
くりぬき法
くりぬき法は専用のパンチ(円形のメス)を使用し、ほくろの根本から形に沿ってくり抜いて除去する方法です。5㎜以下のほくろや、皮膚の深い部分に根があるほくろの治療に適しています。この治療法は小さな穴を開けるだけなので、傷を最小限に抑えることがメリットです。さらに5㎜未満の場合、縫合の必要がなく、体の負担も少ないでしょう。また、ほくろの表面だけでなく母斑組織も取り除くため、再発のリスクは非常に低い治療法です。
レーザー治療
レーザー治療は、炭酸ガスレーザーやYAGレーザーなどを用いて、ほくろの細胞を蒸散・破壊する方法です。この方法は小さいほくろの治療に適しています。レーザー治療は切らずに除去できるため、傷跡が小さく済むことや術後のダウンタイムも短い傾向にあることがメリットです。手術までしたくないけれど、1回ではっきりとした治療結果が確認できる方法がいいという方に向いています。一方で、ほくろの根が深い場合は一度で取りきれず、再発のリスクが他の治療法よりわずかに高まる可能性があります。
失敗しないクリニックの選び方のポイント
クリニックがたくさんあって悩んでしまう方に、失敗しないクリニックの選び方のポイントを紹介します。
「形成外科専門医」など、ほくろ除去の専門医がいるか
ほくろ除去を検討している場合、皮膚科や美容外科で悩む方が多いかもしれません。しかし、実は形成外科という選択肢もあります。形成外科医は基本的に完全切除の治療が多く、再発や悪性所見の可能性も考慮した安全で確実な治療です。このような技術を持つ形成外科専門医がいるクリニックを選ぶことで、満足できる仕上がりが期待できるでしょう。
カウンセリングでリスクや費用を丁寧に説明してくれるか
ほくろ除去の治療法によってはリスクを伴うこともあります。そのため、最初のカウンセリング時に施術の種類、リスク、ダウンタイムや費用、アフターケアなどの詳しい説明があるクリニックを選びましょう。説明がわかりにくい、話を聞いてくれない医師では、不安なまま施術を受けることになりかねません。また、追加料金などがかかる場合もあります。明確な料金表がなく、あいまいな説明しかしてくれないクリニックは避けたほうがよいでしょう。
ほくろ除去の症例実績が豊富か
ほくろ除去は医師の技術によって仕上がりが変わってきます。カウンセリング時に過去の症例写真を確認したり、公式サイトでの口コミなども確認しましょう。より経験を積んだ医師に施術してもらえるように、ほくろ除去の実績が豊富なクリニックを選ぶことが大切です。
アフターケアや再発保証制度が手厚いか
適切なアフターケアは、傷跡を最小限に抑え、合併症を防ぐのにとても重要です。ほくろの除去が完了したからといって、その後何かあっても一切保証がないクリニックでは不安になります。術後の傷口がどのような状態なのか確認するためのアフターフォローや、再発してしまった場合の保証がどのようになっているのか、事前に確認しましょう。
再発を防ぐための正しいアフターケア
ほくろ除去後のアフターケアは非常に重要です。どんなことに気をつけるべきなのか紹介します。
傷口ケアの徹底
傷口を乾燥させないように、保湿クリームを塗りましょう。また、傷口を強くこすったり触らないようにし、かさぶたは自然に取れるまで無理に剥がさないことが大切です。
紫外線対策
日焼け止めを塗ったり、帽子や長袖の服を着用するなどして紫外線を避けるようにします。紫外線を浴びると皮膚が炎症を引き起こし、傷口の治療を妨げるリスクがあります。傷が治るまでの間、外出時には施術箇所に保護テープを貼ったり、帽子やサングラスなどで物理的に紫外線を遮断したりする対策を徹底しましょう。傷が完全に治り、新しい皮膚が再生した後は、その部分にも忘れずに日焼け止めを塗ることが大切です。また、十分な睡眠も免疫力を高めるため、傷の回復を早めます。
定期的な医師の診察
ほくろ除去後も定期的な診察を受けることで、再発の早期発見につながります。特に悪性のほくろだった場合、再発や転移の心配があります。定期的な検査で、医師が新たな異常を発見すれば、早期に対処できるため、再発を未然に防げる可能性が高まるでしょう。
生活習慣の改善
再発を防ぐためには、免疫力の向上が大切です。免疫力が向上することで、体内で傷の治療が促進されます。健康的な生活習慣を心がけ、栄養バランスを意識した食事で体作りに不可欠なビタミンやミネラルを摂取すると、再発のリスクの減少につながります。
再発した場合の対処法
万全なアフターケアをしていても、再発は完全には避けられません。万が一再発してしまった場合はどうすればよいのでしょうか。
医師に相談し、再発の原因の特定
まずは施術を受けたクリニックで再診を受け、現在の状態を診てもらいましょう。再発の原因は施術方法、ほくろの種類、アフターケアなどさまざまな要因が考えられます。再発した原因を特定すれば、適切な処置を受けることができます。
再発の程度によって、治療方法の検討
小さな再発であれば、塗り薬やレーザー治療で改善できる場合があります。再発の程度によっては経過観察で様子を見ることもあります。
再発が改善されない場合、別のクリニックで診察することも考える
治療法や医師の技術が合わなかった場合も考えられるため、再発を繰り返す場合は他のクリニックで診察を受けることも考えましょう。
ほくろの治療は当院にご相談ください
ほくろ除去後の再発は極めて低いですが、ほくろの状態や施術方法によっては起こりうることがあります。ほくろ除去に失敗しないためにも、自分に合った治療法やクリニックを選ぶことが大切です。また、アフターケアをしっかり行うことで、再発のリスクを抑えることができます。
当院では、患者様一人ひとりのお悩みやご希望をじっくりお伺いし、最適な治療法を一緒に見つけていくプロセスを最も重要視しています。ほくろに関するお悩みや治療への不安があれば、まずは一度、お気軽にカウンセリングへお越しください。
院長紹介
日本形成外科学会 専門医 古林 玄
私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。
がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。
この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。
他にも多数の症例を解説しています。
自分でほくろを除去しても大丈夫?リスクと正しい対処法を解説
- 自分でほくろを除去するのは危険
- 自分でほくろを除去するリスク
- ネットで噂のセルフ除去方法は本当に安全?
- 良性・悪性ほくろの見分け方
- 医療機関でのほくろの除去方法
- ほくろを増やさないための対策
- ほくろ除去ならふるばやし形成外科へご相談ください
気になるほくろを「自分で取ってしまいたい」と思ったことはないでしょうか。しかし、自己判断の除去には、感染症・傷跡・悪性腫瘍の見落としなど、重大なリスクが潜んでいます。
本記事では、ほくろのセルフ除去が危険な理由や、安全な治療方法、日常生活で行える予防法について解説します。大切な肌と健康を守るために、正しい知識を身につけましょう。
自分でほくろを除去するのは危険
一見すると単なる「ほくろ」でも、自己判断で除去を試みることは危険です。市販の除去クリームやハサミなどを使用して無理に取り除こうとすると、感染症のリスクや傷跡が残る可能性があります。
さらに、悪性腫瘍だった場合は命にかかわる重大な事態に発展するおそれがあるため注意が必要です。
自分でほくろを除去するリスク
自分でほくろを除去するリスクは以下のとおりです。
感染症の危険性
無菌状態ではない環境や、消毒されていない器具を使用してほくろを除去すると、傷口から細菌が侵入し感染症を引き起こすおそれがあります。
腫れや赤み、激しい痛み、発熱などを伴うこともあり、日常生活に支障をきたすほど悪化する可能性も少なくありません。自分でほくろを除去すると、ほくろの除去とは無関係な追加の治療や抗生物質の投与などが必要になることがあり、かえって身体的・経済的な負担が増加してしまいます。
安易な自己処理は、結果的に美容目的の逆効果となることもあるため注意が必要です。
傷跡や色素沈着が残る可能性
自己処理によって皮膚に強いダメージを与えると、傷跡が残ったり色素沈着を引き起こしたりするケースがあります。とくに、無理に削ったり切ったりした場合、皮膚の深い層まで損傷を受けやすく、修復までに時間がかかるだけでなく、完全にもとの状態に戻らないこともあります。
結果的にもとのほくろよりも目立つ跡になってしまうこともあり、見た目の悩みが悪化する可能性もあるでしょう。ほくろの除去をする際は、必ず医療機関で適切な処置を受けることが重要です。
悪性腫瘍(がん)の見落とし
自己判断でほくろを除去する最大のリスクは、悪性腫瘍(皮膚がん)を見落とす可能性です。見た目だけでは、良性か悪性かを見分けることは困難です。
悪性だった場合、自己処理によって病変を取り除くと発見が遅れ、適切な治療を受けられないまま命にかかわる事態に発展する可能性もあります。
「ただのほくろ」と判断せず、専門医による診断を受けることが安全かつ確実な対処法と言えるでしょう。
ネットで噂のセルフ除去方法は本当に安全?
ネットで噂のセルフ除去方法は本当に安全なのかどうか、詳しく解説します。
ほくろ除去クリーム・もぐさ
「塗るだけでほくろが取れる」と謳う除去クリームや、もぐさを使用した治療方法は肌への刺激が強く、火傷のリスクが伴います。一時的にほくろが消えたように見えることもありますが、以下のような深刻な副作用を起こすリスクがあります。
- ・薬の強い刺激による炎症や化膿
- ・色素沈着やクレーターのような傷跡が残る
- ・ほくろの根元(深部)が残り再発するリスク
「簡単・安価・手軽」などの言葉に惑わされず、専門の医療機関で診断を受けることが安全な選択です。
針やハサミで切り取る
針やハサミなどの器具を使って自分でほくろを除去することも、非常に危険です。器具の消毒が不十分であれば細菌感染のリスクが高まり、切除の深さを誤ると過剰な出血や皮膚組織の損傷を引き起こすおそれがあります。
思っている以上に出血することも多く、止血がうまくできないと傷口が広がり感染を助長する原因にもなりかねません。深く切り込み過ぎると、傷跡が陥没したりケロイド(盛り上がった瘢痕)になったりすることもあります。
また、自己処理による切除は痛みを伴います。たとえ小さなほくろであっても、針やハサミを使用して取り除くことは極めてリスクが高いことを認識しておきましょう。
市販除去グッズの効果は?
ほくろ除去用のペンやパッチなど、市販の除去グッズが一部で流通していますが、効果は個人差が大きく、医学的な根拠が不十分な製品も少なくありません。日本皮膚科学会などの専門機関も、市販グッズによるセルフ除去は推奨していません。
また、インターネットで手に入る輸入品の中には、日本国内では認可されていない成分が含まれていることもあります。肌トラブルや健康被害を引き起こすリスクもあるため、安易な宣伝に惑わされないよう注意しましょう。
良性・悪性ほくろの見分け方
良性・悪性ほくろの見分け方として、皮膚がんの診断に用いられる以下の「ABCDEルール」が有効です。
ABCDEルール | 補足 |
---|---|
Asymmetry(左右非対称) | ほくろの形が左右対称ではない |
Border(境界が不明瞭) | 周囲がぼやけていたり、ギザギザしている |
Color(色が不均一) | 黒・茶色・赤・青など、複数の色が混在している |
Diameter(直径が6mm以上) | 大きさが拡大している |
Evolution(進行性の変化) | 短期間でかゆみ・出血・色・形などの変化が見られる |
上記の項目に一つでも当てはまる場合は、自己判断せずに医師の診察を受けることが推奨されます。
医療機関でのほくろの除去方法
皮膚科や美容外科など、専門の医療機関では安全かつ適切な方法でほくろの除去が行われます。主な治療方法は以下のとおりです。
レーザー治療
レーザー治療は、炭酸ガスレーザーなどを用いて、ほくろの色素細胞(メラノサイト)を焼き切る方法です。主に良性と診断された小さなほくろに用いられることが多くあります。
施術時間が短く、出血もほとんどありません。メスを使用しないため傷跡が目立ちにくく、ダウンタイムも短い傾向にあります。
ただし、皮膚の深部に根がある場合は再発のリスクもあるため、医師による適切な診断と施術が重要です。また、悪性の疑いがあるほくろには適用されません。
くり抜き法
くり抜き法は、専用の小さな円形メスを使用し、ほくろを皮膚の深部ごとくり抜く方法です。ほくろの根までしっかり取り除けるため、再発リスクが低いのが特徴です。
ほくろの大きさにもよりますが、縫合が不要なケースもあるため傷跡も比較的小さく済みます。ただし、ほくろのサイズや位置によっては縫合が必要になる場合もあるため、医師の判断が重要です。
電気焼灼
電気焼灼は、高周波電流でほくろを焼き取る方法です。同時に止血もできるため、出血を最小限に抑えられることが特徴です。
施術時間が短くリスクも少ない方法ですが、術後は赤みや色素沈着が出る可能性があります。できるだけ跡を残さないためには、医師の技術と適切なアフターケアが必要です。
切除術
切除術は、メスを使用してほくろを皮膚ごと切り取り、縫合する外科的手術です。大きなほくろや悪性の疑いのあるほくろにも対応できます。
切除した組織を病理検査に回せるため、正確な診断が行えるのが大きなメリットです。縫合が必要なため跡は残りやすいものの、安全性と確実性が高く、再発リスクも少ない治療方法です。
ほくろを増やさないための対策
ほくろを自分で取ることは推奨されませんが、日常生活でほくろが増えるリスクを低下させることができます。具体的には、以下のような対策を心がけましょう。
紫外線予防を徹底する
ほくろを増やさないためには、紫外線予防を徹底することが重要です。UV(紫外線)は、皮膚のメラニン生成を促進するためです。
外出時には日焼け止めを塗り、帽子や日傘を使用するなど、紫外線対策を心がけましょう。紫外線対策を行うことで、肌へのダメージを軽減し、ほくろの増加や術後の色素沈着を予防できます。
物理的な肌への刺激を減らす
物理的な肌への刺激を減らすことも、ほくろの増加を予防するのに効果的です。肌への摩擦や刺激が、ほくろの増加や悪化の原因になることがあるためです。肌への刺激を減らすポイントは以下のとおりです。
- ・やわらかく肌触りの良い素材の衣類を選ぶ
- ・きつすぎる服やアクセサリーを避ける
- ・ほくろをできるだけ触らないようにする
日常的に配慮することで、ほくろへの刺激を低減できます。
ほくろ除去ならふるばやし形成外科へご相談ください
気になるほくろを「自分で取りたい」と思うことがあるかもしれませんが、自己処理は非常に危険です。感染症や傷跡のリスク、悪性腫瘍の発見が遅れてしまうなど、重大な健康被害につながる可能性も少なくありません。
ほくろの除去は、必ず専門の医療機関で診断を受けたうえで適切な処置を行うことが重要です。大切な肌と命を守るためにも、自己判断ではなく医師に相談しましょう。
院長紹介
日本形成外科学会 専門医 古林 玄
私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。
がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。
この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。
他にも多数の症例を解説しています。
ほくろ除去で後悔したくない!失敗しないための対策や注意点を解説
- ほくろ除去を後悔する主な理由
- ほくろ除去を後悔しないために知っておきたいこと
- 治療後の後悔を防ぐ正しいアフターケア方法
- ほくろ除去のよくある質問Q&A
- ほくろ除去ならふるばやし形成外科へご相談ください
「目立つほくろを除去したい」「メイクで隠しきれないほくろがある」そんな悩みから、ほくろ除去を検討する方は少なくありません。ほくろ除去は、見た目の印象を変える施術の一つです。
しかし、ほくろを除去して「後悔した」という人も少なくありません。
本記事では、ほくろ除去に関する基礎知識や、治療方法の違い、クリニックの選び方について解説します。美しく安全に除去するために、自分に合った治療方法を見つけてみてください。
ほくろ除去を後悔する主な理由
「ほくろ除去をして後悔した」といった結果になる主な理由は、以下のとおりです。
目立つ傷跡が残った
目立つ傷跡が残った場合、ほくろ除去を後悔するケースが少なくありません。ほくろの除去方法によっては、切開跡や色素沈着が残ってしまうためです。
特に、大きなほくろや盛り上がりのあるタイプのほくろは切開が必要になる場合が多く、術後は体質によってケロイド状の傷ができることがあります。
また、医師の技術やアフターケアの有無によっても、傷跡の目立ち方には大きな差が出ます。
仕上がりがイメージと異なった
仕上がりがイメージと異なることも、後悔する原因の一つです。「もっときれいに取れると思っていた」「傷跡がまったく残らないと思っていた」など、施術前の説明と仕上がりのギャップによって後悔する人も少なくありません。
特に施術前の説明が不十分だったり、期待が先行しすぎてギャップが生まれたりした場合に起こりやすい傾向があります。
ほくろが再発した
除去したはずのほくろが再発してしまい、後悔する人もいます。これは、ほくろの根を完全に除去できていないことが原因で起こります。
特に、皮膚の表層のみを削ったケースでは根が残りやすく、数ヶ月~数年後に再発することがあります。
施術後に痛みが強く出た
施術後に強い痛みを感じたことで、後悔につながるケースもあります。施術中は局所麻酔を使用するため痛みを感じにくいものの、麻酔が切れた後に痛みが強く出るケースも少なくありません。
特に、切開法やほくろの根が深く皮膚の深い部分まで削った場合は、数日~数週間にわたって痛みや違和感が出ることがあります。体質や部位によっては腫れや赤みを伴うこともあり、痛み止めが必要になる可能性もあるでしょう。
費用が高額だった
費用が想像以上に高額で後悔するケースもあります。特に美容目的のほくろ除去は保険適用外となるため、1箇所あたり数千円~数万円の費用がかかることがあります。
さらに、複数のほくろを除去したり、修正や再手術が必要になったりすると、トータルで高額になる可能性もあるでしょう。
後悔を避けるためには、事前に費用相場や料金体系をしっかり確認しておくことが重要です。追加費用がかかるケースも確認しておくと安心です。
ほくろ除去を後悔しないために知っておきたいこと
ほくろ除去で後悔してしまう多くのケースは、「事前に正しい情報を知らなかった」ことが原因です。施術方法やリスク、費用、仕上がりのイメージなどについて十分な理解がないまま進めてしまうと、思わぬトラブルや不満につながることもあります。
納得のいく結果を得るために、以下のような正しい知識をもって治療に臨みましょう。
治療方法の違いを理解する
まず、ほくろ除去の治療方法にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴があることを理解しておくことが重要です。以下のように、どの方法を選ぶかによって効果やダウンタイム、傷の残り方、再発リスクが異なります。
治療方法 | 内容 |
---|---|
レーザー治療 | ・炭酸ガスレーザーなどで皮膚を焼き切る ・ダウンタイムが短く、傷跡も目立ちにくい ・皮膚の深部に根がある場合は再発のリスクがある |
くり抜き法 | ・専用のパンチ型メスで、ほくろを深部からくり抜く ・根を除去できるため再発リスクが少ない ・ほくろが小さければ、縫合不要のケースもある |
電気焼灼 | ・電気でほくろの組織を焼き切る ・傷跡は残ることもあるが、再発リスクが少なく安全性が高い |
切除術 | ・ほくろをメスで切り取る外科的手術 ・大きなほくろや悪性の疑いがある場合にも対応可能 ・再発リスクが少ないが、傷跡が残りやすい |
どの治療方法が最適かは、ほくろの大きさ・形・場所・性質・希望する仕上がりによって異なります。医師と相談しながら、自分に合った治療方法を選ぶことが後悔しないための第一歩です。
信頼できるクリニックを選ぶ
ほくろ除去で後悔しないためには、信頼できるクリニック・医師を選ぶことも重要です。同じ施術方法であっても、医師の技術力や経験の差によって仕上がりに大きな違いが出ることがあります。
クリニックを選ぶ際は、以下の点を確認しましょう。
- ・医師が形成外科や皮膚科の専門医かどうか
- ・過去の症例写真を提示してくれるか(ビフォーアフターの写真など)
- ・メリットだけでなく、リスクやダウンタイムについても説明してくれるか
- ・アフターケアや経過観察についての具体的な説明があるか
話しやすさや対応の誠実さなど、カウンセリング時に「この医師なら任せられる」と感じられるかどうかを重視しましょう。
保険適用になるケースを知る
ほくろの除去を検討する際は、保険適用になるケースをあらかじめ知っておくことも大切です。医療的な理由で除去が必要と判断された場合は、健康保険が適用されることがあります。例えば、以下のようなケースが挙げられます。
- ・悪性の疑いがあると医師が判断した場合
- ・日常生活で擦れて出血するなど支障をきたす場合
美容目的の場合は自由診療になりますが、医療目的だと保険適用されるため費用を抑えられる可能性があります。
治療後の後悔を防ぐ正しいアフターケア方法
治療後の後悔を防ぐためには、正しいアフターケアが重要です。以下のポイントをしっかり押さえておきましょう。
テープの貼り方・貼る期間
ほくろ除去後は、傷跡を保護するテープを貼る必要があります。テープを貼ることで、傷跡を保護し、きれいな仕上がりを目指せます。
また、摩擦や紫外線などの外的刺激から傷を守り、色素沈着や傷跡の悪化を防ぐ効果があります。
施術方法によって保護テープを貼る期間は異なりますが、1週間~1ヵ月程度は毎日貼り替えるのが一般的です。途中でやめてしまうと、傷跡が目立つ原因になるため、自己判断でやめずに医師の指示に従ってケアを続けましょう。
紫外線対策の重要性
ほくろ除去を後悔しないために、紫外線対策を徹底することも重要です。術後の肌は非常にデリケートになっており、紫外線に敏感な状態になっています。
日焼けすると赤みが強くなったり、シミのように色素沈着が残ったりするため、除去したほくろが目立つ原因になりかねません。
そのため、紫外線対策は傷跡の仕上がりに大きく関わる重要なケアです。具体的には、以下のような対策を行うと効果的です。
- ・外出時は日焼け止めを使用する
- ・帽子・マスク・日傘などで物理的にカバーする
- ・晴れの日だけでなく、曇りや冬の日も紫外線対策を行う
医師の指示に従い、UV対策をしっかり行いましょう。
食事や生活での注意点
食事や生活習慣に気を遣うことも大切です。栄養バランスの取れた食事は、皮膚の回復を助けます。特に、以下の点に気をつけましょう。
- ・ビタミンやたんぱく質を積極的に取る
- ・十分な水分補給を心がける
- ・術後の喫煙を控える
- ・過度なアルコール・カフェインの摂取を控える
- ・睡眠時間をしっかり確保する
生活習慣に気を付けることで傷の回復を早め、きれいな仕上がりを目指せます。
ほくろ除去のよくある質問Q&A
ほくろ除去に関する、よくある質問を紹介します。
ほくろは自分で取れますか?
自己処理は絶対にやめましょう。市販の薬やハサミなどを使った自己除去は、傷跡・感染症・悪性腫瘍の見落としなどの重大なリスクがあります。
ほくろは見た目だけでは良性か悪性かの判断がつかないため、必ず医療機関で診断を受け、安全な方法で適切に処置してもらいましょう。
痛みはどれくらいありますか?
施術中は局所麻酔を行うため、ほとんど痛みを感じません。
ただし、麻酔が切れたあとは痛みやヒリヒリ感を感じる場合があります。痛みの程度は個人差があるため、不安な場合は痛み対策の方法を事前に確認しておきましょう。
ダウンタイムの期間はどれくらいですか?
施術方法によって異なります。一般的な目安は、赤みや腫れが落ち着くまで1~2週間、完全に目立たなくなるまで数ヶ月程度です。
術後のケアや生活習慣によっても回復速度が変わります。
施術後すぐにメイクをしても問題ありませんか?
施術後は、傷口が完全にふさがるまではメイクを避けた方が望ましいです。施術箇所以外の肌にはメイクをしても問題ありません。
保護テープの上からメイク可能な場合もありますが、施術内容によって異なるため医師に相談してください。
他のクリニックで受けた施術の傷跡修正はできますか?
当院は、専門医が幅広い手術に対応しているため、他院での施術による修正手術が可能です。
傷跡の状態や施術歴によって治療方法はさまざまなので、まずはご相談ください。
ほくろ除去ならふるばやし形成外科へご相談ください
ほくろ除去は、見た目を大きく変える可能性がある一方で、後悔する声も少なくありません。そのため、事前に治療法やリスクを理解しておくことが重要です。
さらに、信頼できるクリニックを選び、アフターケアをしっかり行うことで満足度を高められるでしょう。
当院では、専門医による丁寧なカウンセリングを行い、一人ひとりに最適な施術をご提案しています。ほくろについて気になることがある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
院長紹介
日本形成外科学会 専門医 古林 玄
私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。
がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。
この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。
他にも多数の症例を解説しています。
ほくろ除去のダウンタイムは?代表的な症状や正しいアフターケアを紹介
- ほくろ除去のダウンタイム期間中に現れる症状
- ほくろ除去の方法とダウンタイムの違い
- ほくろ除去後のダウンタイム期間の過ごし方
- ダウンタイムを最小限に抑えるポイント
- ほくろ除去後の傷跡を残さないためのアフターケア
- まとめ
「ほくろ除去をしたいけれどダウンタイムが不安」と、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
ダウンタイムは、皮膚が正常に回復していく過程で一時的に見られるものであり、過度に心配する必要はありません。しかし、適切なアフターケアを行わないと、色素沈着や傷跡が残る原因になるため注意が必要です。
今回は、ほくろ除去後のダウンタイムの症状やきれいな仕上がりを目指すアフターケアの方法について詳しく解説します。ほくろの除去を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
ほくろ除去のダウンタイム期間中に現れる症状
ほくろ除去後に現れる代表的なダウンタイムの症状は以下のとおりです。
腫れ・赤み
施術直後から数日間は、皮膚が一時的に炎症を起こしているため患部の周囲に腫れや赤みが生じることがあります。
ほとんどの場合、腫れや赤みは数日~1週間ほどで自然に引いていきます。長引く場合や、炎症などの症状がある場合は、感染症の可能性もあるため早めに医師に相談しましょう。
かさぶた
ほくろ除去後、皮膚が再生する過程で患部にかさぶたが形成されることがあります。自然治癒の一環なので、かさぶたができることは問題ありません。
通常は1~2週間ほどで自然に剥がれ落ちるため、触ったり引っ掻いたりしないよう注意しましょう。
炎症後色素沈着
施術後の肌は非常に敏感になっており、紫外線や摩擦などの刺激を受けると、炎症後色素沈着(PIH)が起きることがあります。
茶色っぽい跡として数ヶ月残ることがありますが、時間の経過とともに徐々に薄くなっていきます。
ひきつり・軽度の痛み
皮膚が治癒していく過程で、引きつるような感覚や、チクチクとした軽い痛みを感じることがあります。皮膚の内部で再生が進んでいる証拠で、通常は1~2週間以内におさまる軽度のものです。
ほくろ除去の方法とダウンタイムの違い
ほくろの除去には複数の治療方法があり、それぞれ仕上がりやダウンタイムの長さが異なります。以下では、代表的なほくろの除去法と、それぞれのダウンタイムの目安を紹介します。
レーザー治療
レーザー治療は、メラニン色素に反応するレーザーを照射し、ほくろを除去する方法です。出血がなく、他の治療方法と比較すると痛みも少ない治療法です。
ダウンタイムは比較的短く、仕事や外出時の影響を最小限にしたい方に適しています。ただし、盛り上がったほくろや根が深いものには不向きな場合もあります。
施術後の経過期間 | 症状 |
---|---|
当日 | ・赤み ・軽度の腫れ ・ピリピリとした刺激感 |
2日~1週間 | ・かさぶたの形成 ・乾燥しやすいため保湿と保護テープが必要 |
1~2週間 | ・かさぶたが自然に剥がれる ・赤みが徐々に引いていく |
2週間~1ヵ月 | ・赤みが目立たなくなる ・保護テープは不要で患部へのメイクが可能 |
2~3ヶ月 | 肌の色が徐々に安定しほとんど目立たなくなる |
電気メス・高周波メス
電気メス・高周波メスは、熱を利用してほくろの組織を焼き切る方法です。深い組織まで処置できるため、再発リスクが低くなります。
切開と止血を同時に行えるため出血が少なく、比較的傷も残りにくいのが特徴です。
施術後の経過期間 | 症状 |
---|---|
当日 | ・赤み ・痛み ・出血 |
2日~1週間 | ・かさぶたの形成 ・赤みが目立つ ・保護テープが必要 |
1~2週間 | ・保護テープは不要で患部へのメイクが可能 ・赤みが引き、傷跡が薄いピンクになる |
2週間~1ヵ月 | ・色素沈着が見られることがある ・赤みがさらに引き、メイクで隠せる色味になる |
2~6ヶ月 | ・傷跡はほとんど目立たなくなる ・大きいほくろだった場合は色が残る可能性がある |
くり抜き法
くり抜き法は、専用の器具でほくろを円形に切り抜く方法です。根が深いほくろや大きなほくろに適した治療方法です。深部まで除去できますが、ダウンタイムは比較的長くなる傾向があります。
施術後の経過期間 | 症状 |
---|---|
当日 | ・痛み ・腫れ ・出血 |
2日~1週間 | ・患部のへこみ ・かさぶたの形成 |
1~2週間 | ・赤みや軽いつっぱり感 ・へこみの改善 |
2週間~1ヵ月 | ・赤みが引き色素沈着が残ることがある |
2~6ヶ月 | ・肌の再生が進み、へこみや傷跡が目立たなくなる |
切除手術
切除手術は、メスで皮膚を切開してほくろを取り除き縫合する外科的手術です。大きなほくろや悪性の疑いのあるほくろに適しており、組織を確実に除去できます。
縫合しなければならないため傷が線状に残る可能性があり、他の治療方法と比較するとダウンタイムも長めです。医師の指示に従いアフターケアをしっかりすることで、きれいな仕上がりを目指せます。
施術後の経過期間 | 症状 |
---|---|
当日 | ・強い痛みや腫れ ・患部はガーゼで保護 |
2日~1週間 | ・腫れや痛みがあるが、赤みは徐々に引く ・かゆみを感じることもある ・1週間後に抜糸(一時的に痛みが強まることがある) |
1~2週間 | ・腫れや痛みは引くが、切開した箇所の傷(線状)が目立つ場合がある |
2週間~1ヵ月 | ・色素沈着が現れる可能性がある ・保護テープは継続 ・腫れやつっぱり感が引いてくる |
2~6ヶ月 | ・傷跡が薄くなり、時間とともに目立たなくなっていく ・傷跡が完全に消えないこともある |
ほくろ除去後のダウンタイム期間の過ごし方
ほくろ除去のダウンタイム期間は、傷跡をきれいに治すために日常生活の過ごし方が重要です。医師の指示に従いながら、以下の点に気をつけましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
入浴 | ・当日の入浴は避ける ・シャワーは可能だが、傷口を濡らさないよう注意 |
洗顔 | ・患部を強く擦らないように、ぬるま湯でやさしく洗う ・洗顔料は肌に刺激の少ないタイプを選ぶ |
メイク | ・患部はテープ保護期間が終了してから、もしくは保護テープの上からメイク可能(医師に要相談) ・患部以外の部分は当日からメイクしても問題ない |
日焼け | ・日焼け止め・日傘・帽子などで紫外線対策を行う ・日焼け止めは無着色・無香料など低刺激のものを選ぶとよい |
飲酒 | 血行を促進して炎症を悪化させる可能性があるため数日は控える |
喫煙 | ・傷の治癒を遅らせるため禁煙が望ましい ・少なくとも施術後1週間程度は控える |
運動 | ・激しい運動は控える ・軽いストレッチや散歩程度であれば、医師の指示に従い再開できる |
ダウンタイムを最小限に抑えるポイント
ダウンタイムを最小限に抑えるためのポイントを紹介します。
ダウンタイムが短い治療方法を選ぶ
最も効果的な方法は、ダウンタイムが短い治療方法を選ぶことです。レーザー治療や電気メスは、肌へのダメージが少なくなります。腫れや赤みも軽度にとどまり、回復が早い傾向にあります。
治療方法を選ぶ際は、ダウンタイムの短さだけでなく以下のような観点から総合的なバランスを考慮することも大切です。
- ・再発のリスク
- ・施術後の仕上がり
- ・根本的な除去の確実性
自分のライフスタイルや希望を医師と相談したうえで、最適な治療法を選びましょう。
施術後の飲酒や激しい運動などを控える
施術後の過ごし方は、ダウンタイムの長さに影響します。最小限に抑えるためには、以下のような行動を控えましょう。
- ・アルコールの摂取・喫煙
- ・ランニングや筋トレなどハードな運動
- ・長時間の入浴やサウナ
- ・患部のマッサージや強い刺激を与える行為
施術当日から数日は無理をせず、安静に過ごすことが肌の回復を早める近道となります。
食事や睡眠などの生活習慣を見直す
食事や睡眠などの生活習慣を見直し、体の内側からケアすることも大切です。
- ・食事:香辛料やカフェインなどの刺激物を控え、ビタミンC・ビタミンE・たんぱく質など、皮膚の修復に必要な栄養素を意識して摂取する
- ・睡眠:就寝中に成長ホルモンが多く分泌されるため、6~8時間程度の質の高い睡眠を取る
- ・ストレス管理:ストレスは自律神経を乱し、肌の免疫能力や再生力を低下させる要因になるため、リラックスできる時間を意識的に取り入れる
日々の小さな心がけが仕上がりに大きな差を生むことを忘れずに、無理のない範囲で取り組みましょう。
ほくろ除去後の傷跡を残さないためのアフターケア
ほくろ除去後の傷跡を残さないためのアフターケアのポイントを紹介します。
無理にかさぶたを剥がさない
かさぶたは、皮膚の再生を助ける保護膜です。無理に剥がすと回復を遅らせる可能性があるため、以下のように正しく対処しましょう。
- ・自然に剥がれ落ちるまで触らない
- ・かゆみがあっても掻かない
- ・医師の指示があれば保護テープや絆創膏で覆う
かさぶたは乾燥しすぎると割れて剥がれやすくなるため、保湿ケアと併用するとよいでしょう。
紫外線対策を徹底する
きれいな仕上がりを目指すために、紫外線対策を徹底することも重要です。紫外線対策のポイントは以下のとおりです。
- ・赤みやかさぶたがある期間は外出時に遮光する
- ・日焼け止めは低刺激で無着色・無香料の製品を選ぶ
- ・帽子・日傘・サングラスなど物理的なガードも併用する
新しく再生された肌は非常に敏感で、紫外線を浴びるとメラニンが過剰に生成されやすくなるため、外出する際は紫外線対策を忘れないようにしましょう。
保湿をしっかり行う
きれいな仕上がりを目指すためには、保湿をしっかり行うことも重要です。乾燥は肌のバリア機能を低下させ、炎症を引き起こす可能性があるためです。保湿を継続的に行うことで肌の再生がスムーズになり、傷跡も目立ちにくくなります。
保湿後のべたつきが気になる場合は、ガーゼやパウダーシートなどで軽く抑えると快適に過ごせます。
よくある質問(Q&A)
施術後すぐに仕事に行けますか?
レーザー治療なら可能なことが多いですが、テープ保護が必要な場合は目立つこともあるため、医師と相談しましょう。
ダウンタイムが長引いている気がする…
1ヶ月以上赤みや痛みが続く場合は、早めの受診がおすすめです。
市販の薬でケアできますか?
ワセリンなどの保湿剤は有効です。美白目的でビタミンC誘導体配合のクリームなども使われますが、使用前に医師に確認を。
まとめ
ほくろ除去のダウンタイム中は、施術後の過ごし方やアフターケアが大切です。治療方法によってダウンタイムの長さや仕上がりが異なるため、自分のライフスタイルや希望に合った治療法を選びましょう。
肌トラブルを避けながら、美しく整った仕上がりを目指したい方は、ぜひ当院へご相談ください。
院長紹介
日本形成外科学会 専門医 古林 玄
私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。
がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。
この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。
他にも多数の症例を解説しています。
ほくろが大きくなるのは危険?良性・悪性の見分け方や治療方法について
ふとしたときに、「ほくろが大きくなっている」と感じたことはありませんか。
ほくろの変化には、紫外線や加齢による自然なものもあれば、まれに悪性腫瘍(皮膚がん)の可能性もあります。
今回は、大きくなるほくろが危険かどうかの判断基準や、良性・悪性の見分け方、さらに治療方法や受診のタイミングについて解説します。少しでも不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
ほくろが大きくなる原因
ほくろが大きくなる主な原因は、以下のとおりです。
原因 | 補足 |
---|---|
紫外線の影響 | 紫外線の蓄積により、皮膚のメラノサイト(色素を作る細胞)が活性化することで、ほくろが大きくなることがある 特に日焼けを繰り返すとリスクが高まる |
ホルモンバランスの変化 | 思春期・妊娠・更年期など、ホルモンの変動によってほくろが大きくなったり濃くなったりする |
加齢 | 年齢とともに皮膚の新陳代謝が低下し、ほくろの変化が顕著になることがある |
外的刺激 | 衣服やアクセサリーのこすれ、繰り返し触る癖など、物理的な刺激によってほくろが大きくなる場合がある |
子どもにもほくろはできますが、急激に大きくなったり形や色に変化が見られたりする場合は注意が必要です。
成長にともなう自然な変化であるケースが多いものの、まれに皮膚がんの兆候の可能性もあります。気になる変化がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
除去した方がよいほくろの特徴
ほくろの中には、医学的または生活上の理由から除去を検討した方がよいケースがあります。主な特徴は、以下のとおりです。
日常生活に支障をきたす場合
ほくろが日常生活に支障を与えている場合、除去することで快適さが向上することがあります。例えば、以下のようなケースが考えられます。
- ・衣服に引っかかったり、髭剃りやメイクの際に擦れて出血・痛みが生じる
- ・顔や首など目立つ場所にあり、ストレスやコンプレックスの原因になっている
- ・洗顔うやスキンケア時に違和感があり、日常動作が煩わしく感じている
上記のような状況の場合、良性であってもQOL(生活の質)を高めるために除去を検討する価値があります。
悪性の可能性が疑われる場合
悪性(皮膚がん)の可能性が疑われる場合は、ほくろを除去しなければなりません。放置することで治療が遅れ、命にかかわる危険性が高まるためです。少しでも異変を感じたら、早めに専門医を受診しましょう。
大きくなるほくろは危険?放置するリスクと良性・悪性ほくろの見分け方
ほくろが大きくなることが必ずしも危険というわけではありません。しかし、「短期間で急激に変化するほくろ」には注意が必要です。悪性(皮膚がん)であった場合、放置すると以下のような深刻なリスクがあります。
- ・リンパ節や内臓への転移
- ・治療の遅れによる命の危険
悪性腫瘍は、早期発見・治療が極めて重要です。急激な変化が見られる場合は自己判断せず、早めに医療機関を受診しましょう。
ほくろが悪性かどうかを見分けるための目安として、以下のABCDEルールが有効とされています。
ABCDEルール | 補足 |
---|---|
Asymmetry(左右非対称) | ほくろの形が左右対称ではない |
Border(境界が不明瞭) | 周囲がぼやけていたり、ギザギザしている |
Color(色が不均一) | 黒・茶色・赤・青など、複数の色が混在している |
Diameter(直径が6mm以上) | 大きさが拡大している |
Evolution(進行性の変化) | 短期間でかゆみ・出欠・色・形などの変化が見られる |
良性の場合でも、ほくろが大きくなることはあります。良性の場合は形や色に大きな変化がなく、成長スピードが比較的緩やかなのが特徴です。
悪性ほくろの代表例
悪性ほくろの代表例には、以下のようなものがあります。
悪性黒色腫(メラノーマ)
悪性黒色腫(メラノーマ)は、メラニン色素を生成する細胞(メラノサイト)が「がん化」して発生します。皮膚がんの中でも悪性度が高く、進行が早いのが特徴です。
特徴 | 色 | 形 | 大きさ | 好発部位 |
---|---|---|---|---|
悪性黒色腫(メラノーマ) | 黒~淡褐色 | 左右非対称・境界が不明瞭 | 急速に拡大する | 全身にできるが、特に足の裏に好発する |
メラノーマは早期発見・早期治療が非常に重要です。早期であれば、手術のみで治療できる可能性が高くなります。
基底細胞がん
基底細胞がんは、皮膚がんの中で最も発生頻度が高いがんです。進行は比較的緩やかですが、放置すると周囲組織に広がるため、適切な治療が必要です。
特徴 | 色 | 形 | 大きさ | 好発部位 |
---|---|---|---|---|
基底細胞がん | 光沢のある黒~褐色 | ドーム状 | 徐々に大きくなっていく | 紫外線に当たりやすい顔面や耳に好発する |
転移はまれで、命にかかわることは少ないものの、健康面・美容面を考慮すると治療が望ましいです。
有棘細胞がん(ゆうきょくさいぼうがん)
有棘細胞がんは、皮膚の表皮にある細胞が「がん化」して発生します。基底細胞がんに次いで、発生頻度が高い皮膚がんです。
特徴 | 色 | 形 | 大きさ | 好発部位 |
---|---|---|---|---|
有棘細胞がん | 赤茶色~褐色 | いぼ状の硬いしこり | 徐々に大きくなり出血や悪臭を伴うことがある | 顔面・手足・瘢痕 |
有棘細胞がんは転移するリスクがあるため、早期の診断と除去が非常に重要です。
ほくろの大きさが気になるときの対処法
ほくろが徐々に大きくなったり、形や色に変化が見られたりした場合は、悪性の可能性も否定できません。異変を感じたときは、以下のステップで適切に対処することが重要です。
専門医の診断を受ける
最初のステップは、皮膚科や形成外科を受診することです。自己判断で放置せず、専門医の診断を受けることで、必要な治療や経過観察の方針が明確になります。
具体的には以下のような診察を行います。
診察の流れ | 診察内容 |
---|---|
問診 | いつ頃からほくろが大きくなったのか、かゆみや痛み、出血があるかなど確認 |
視診 | 肉眼で、ほくろの色・形・境界の鮮明さ・表面の状態などを確認 |
触診 | 実際にほくろを触り、硬さや質感、しこりの有無を確認 |
必要に応じて、後述のダーモスコピーや病理検査が追加されます。
ダーモスコピー検査を受ける
視診だけでは判断が難しい場合は、「ダーモスコピー」という機器を使った精密検査が行われます。
ダーモスコピーとは、皮膚の表面を拡大し、光の反射を抑えながら皮膚の深い構造まで観察できる医療機器です。肉眼では見えない構造や色の分布を詳しく確認できるため、良性・悪性を判断しやすくなります。
目的 | 良性・悪性の識別の精度を高める |
---|---|
検査時間 | 数分程度 |
痛みや侵襲 | なし(メスや針を使用しない) |
ダーモスコピーによって悪性が疑われる場合は、病理検査が推奨されます。病理検査では、ほくろの一部を採取して精密に分析し、確定診断を行います。
ほくろの治療方法
ほくろの治療方法は、良性か悪性かによって異なります。
良性の場合は、美容目的や生活への支障を理由に行われることが多く、悪性の場合は皮膚がんの一種として、迅速な診断と外科的治療が求められます。
それぞれのケースにおける代表的な治療方法を紹介します。
良性のほくろの治療方法
良性のほくろの治療方法は、以下のとおりです。
治療方法 | 概要 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
レーザー治療 | 炭酸ガスレーザーやQスイッチレーザーなどを用いてほくろの細胞を蒸散・破壊する | ・ダウンタイムが短い ・短時間の施術で完了する ・傷跡が残りにくい |
・深いほくろには不向き ・一度で完全に除去できない場合がある ・美容目的と見なされるため保険適用外 |
電気焼灼 | 熱を利用してほくろの組織を焼灼 | ・短時間の施術で完了する ・出血が少ない |
・深いほくろに適していない ・傷跡が色素沈着として残る可能性がある |
くり抜き法 | 専用の器具でほくろを円形で切り抜く | ・局所麻酔で施術可能 ・病理検査に出せる |
・傷跡がくぼんで残ることがある |
切除手術 | メスで皮膚を切開してほくろを取り除く | ・根本治療が可能 ・再発のリスクが少ない ・ほくろの大小問わず対応可能 |
・傷跡が残る可能性がある ・抜糸や術後のアフターケアが必須 |
良性のほくろの治療は、主に見た目の改善や物理的な不快感の軽減を目的として行われます。医師が「医学的に治療が必要」と判断した場合は保険適用されることがありますが、美容目的の場合は自由診療となります。
悪性のほくろの治療方法
悪性ほくろの治療方法は、以下のとおりです。
治療方法 | 概要 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
切除手術 | がんの取り残しを防ぐため、一定の安全域を含めて大きく切除する | ・確実性が高い根治治療 ・病理検査で確定診断が可能 ・保険適用 |
・傷跡が残る可能性がある ・抜糸や術後のアフターケアが必須 |
悪性の場合は、切除術が適用されるのが一般的です。治療は美容目的ではなく、命を守るための医療行為のため保険適用となります。
まとめ
ほくろが大きくなる原因は、紫外線や加齢など自然な変化で起きる場合もあれば、皮膚がんのサインの可能性もあります。
見た目の変化や違和感に気づいたときは、自己判断で放置せず、早めに専門医の診断を受けることが大切です。早期発見・早期治療が、健康を守る第一歩となります。
「これって大丈夫かな?」と少しでも不安を感じたら、お気軽に当院にご相談ください。
院長紹介
日本形成外科学会 専門医 古林 玄
私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。
がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。
この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。
他にも多数の症例を解説しています。
ほくろがかゆいのは危険?考えられる原因と治療の必要性を解説
- ほくろがかゆいときに考えられる原因
- 皮膚がんの可能性があるほくろの特徴
- 「ほくろ」がかゆい場合に考えられる主な疾患
- ほくろのかゆみを抑える方法
- かゆいほくろを自分で除去するリスク
- 少しでも気になる場合は当院へご相談ください
「ほくろがかゆくて気になる」「ほくろがかゆいのは何かの病気?」
このような不安を感じたことはありませんか。
ほくろのかゆみは、一時的なものから深刻な疾患のサインまで、さまざまな原因が考えられます。生活習慣や環境が関係していることも多く、日々のケアで予防できることもあります。
この記事では、ほくろのかゆみから考えられる原因や疾患、見逃してはならない症状、日常生活でできる対策について解説します。自己判断による処置は思わぬリスクを招くこともありますので、正しい知識を身につけて正しく対処しましょう。
ほくろがかゆいときに考えられる原因
ほくろがかゆいときに考えられる原因は、以下のとおりです。
- ・物理的な刺激や乾燥による一時的なかゆみ
- ・アレルギーや皮膚炎などの皮膚トラブル
- ・皮膚がんの初期症状の可能性
それぞれ詳しく見てみましょう。
物理的な刺激や乾燥による一時的なかゆみ
ほくろがかゆくなる原因としてまず考えられるのは、物理的な刺激や乾燥による一時的なかゆみです。
肌が乾燥しやすい冬場や、衣服やマスクなどがよく触れる部位は摩擦が起きやすくなり、ほくろ周辺が刺激されることによってかゆみを引き起こしやすくなります。特に背中や顔など、衣類や髪の毛がよくこすれやすい部位に注意が必要です。
刺激や乾燥によるかゆみは、深刻な問題に発展することはほとんどありません。保湿ケアで改善されることが多く、数日でおさまるケースが多く見られます。
アレルギーや皮膚炎などの皮膚トラブル
アレルギーや皮膚炎、虫刺されなどの皮膚トラブルが原因でほくろの周辺に炎症が生じ、かゆみを感じることがあります。ほくろそのものに問題があるのではなく、周辺の皮膚の炎症によって引き起こされるものです。
ただし、炎症が長引くと、ほくろの見た目にも変化が生じることがあります。症状が改善しない場合は、専門医の診察が必要です。
皮膚がんの初期症状の可能性
最も注意すべきなのが、皮膚がんの初期症状として現れるかゆみです。特に、長年変化のなかったほくろが急にかゆくなったり、形や色が変わったりした場合は悪性黒色腫(メラノーマ)の可能性を疑う必要があります。
皮膚がんは、早期発見と早期治療が非常に重要です。気になる変化がある場合は、自己判断で様子を見るのではなく、すぐに専門医の診断を受けましょう。
皮膚がんの可能性があるほくろの特徴
皮膚がんの可能性があるほくろには、以下の特徴が見られます。
項目 | 詳細 |
---|---|
Asymmetry(左右非対称) | ほくろの形が左右対称でいびつになっている |
Border(境界が不明瞭) | 周囲がぼやけていたり、ギザギザしている |
Color(色が不均一) | 黒・茶色・赤・青など、複数の色が混在している |
Diameter(直径が6mm以上) | 大きさが明らかに拡大している |
Evolution(進行性の変化) | 短期間でかゆみ・出欠・色・形などの変化が見られる |
上記の症状は、英語の頭文字を取って「ABCDEルール」と呼ばれ、医療現場でも皮膚がんを見分ける際の重要なチェックポイントとして広く使われています。これらの兆候が一つでも当てはまる場合は、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。
「ほくろ」がかゆい場合に考えられる主な疾患
「ほくろ」がかゆい場合に考えられる主な疾患は、以下のとおりです。
- ・脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)
- ・悪性黒色腫(メラノーマ)
- ・基底細胞がん
悪性のほくろの場合は、早期発見と早期治療が重要です。それぞれの症状を詳しく見てみましょう。
脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)
脂漏性角化症は、加齢に伴いできやすくなる良性腫瘍です。表面がザラザラしていたり、かさぶたのような見た目になったります。茶色から黒色まで色の濃さはさまざまです。
見た目がほくろに似ているため間違われやすい症状ですが、かゆみを伴うことがあります。基本的には良性ですが、見た目が気になる場合や発生部位によっては除去処置を行います。
悪性黒色腫(メラノーマ)
悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚がんの一種です。メラニン色素をつくる細胞が「がん化」することで発生します。皮膚がんの中でも悪性度が高いため、早期に除去する必要があります。
ほくろのような見た目から始まり、急速に拡大したり、色や形が変化したりします。かゆみや出血を伴うことも少なくありません。
メラノーマはリンパや血液を通じて全身に転移する可能性があるため、発見が遅れると命に関わることがあります。早期の段階で適切な処置を行うことで予後が改善されるので、違和感がある場合はすぐに受診しましょう。
基底細胞がん
基底細胞がんは、高齢者に多く見られる皮膚がんの一種です。紫外線の影響によって、顔や首にできることが多くあります。
見た目は小さな赤黒いイボのようなもので、かゆみを伴うことがあります。ほくろとの見分けが難しいため、専門医の診察を受けることが大切です。
メラノーマよりも進行は遅く、転移のリスクも低いものの、放置すると周囲の組織を破壊する恐れがあるため早期の診断と治療が必要です。
ほくろのかゆみを抑える方法
日常生活で行えるかゆみ対策として、以下のようなものが挙げられます。
保湿ケアを徹底する
乾燥が原因でかゆみが発生している場合は、肌のうるおいを保つことが大切です。保湿クリームやローションなどを使用して、優しくケアしましょう。特にお風呂上がりや就寝前など、肌が乾燥しやすいタイミングでの保湿が効果的です。
保湿剤は、アルコールや香料などの刺激成分が含まれているものは極力避け、敏感肌用や低刺激性の製品を選びましょう。継続的な保湿ケアによって、皮膚のバリア機能が整います。
衣類との摩擦を減らす
ほくろに繰り返し刺激を与えるとかゆみや炎症の原因になるため、衣類との摩擦を減らすよう心がけることも大切です。タイトな服や、チクチクするウールなどの素材を避け、やわらかく通気性のよい素材を選ぶとよいでしょう。
また、下着やインナーの縫い目がほくろに当たらないように工夫することも有効です。衣類との摩擦は見落とされがちな要因の一つなので、定期的に衣類の素材やサイズを見直し、皮膚へのストレスを最小限に抑えるよう心がけましょう。
紫外線対策を行う
日常的に紫外線対策を行うことで、ほくろのかゆみ予防につながります。紫外線は肌にダメージを与えかゆみを誘発するだけでなく、皮膚がんのリスクも高めます。
外出時は、季節や天候にかかわらず、日焼け止めを使用する習慣を身につけましょう。SPFやPAの数値にも注目し、シーンに応じて適切な強さを選んでください。顔や首、腕など露出の多い部分だけでなく、耳や首の後ろ、手の甲も忘れずにケアすることが大切です。
帽子や日傘、サングラスなども併用して、紫外線をできるだけ避ける生活習慣を意識しましょう。
かかない・触らない
かゆみを感じると、つい引っ掻いたり触ったりしてしまいがちですが、かえって症状を悪化させる原因になります。かくことで皮膚が傷ついたり、炎症を引き起こしたりする可能性があります。
どうしても我慢できない場合は、保冷剤や冷たいタオルでほくろ周辺を軽く冷やすことで、かゆみを一時的に和らげられます。かゆみが続く場合は、医師の相談のうえでかゆみ止めなどの外用薬を使用するのも一つの方法です。
かゆいほくろを自分で除去するリスク
インターネットやSNS上では、「市販薬でほくろを取る」「自分で除去する」などの情報も散見されますが、自分で処置することはおすすめできません。
不適切な処置によって感染症を引き起こしたり、傷跡が残ったりするリスクがあるためです。また、悪性だった場合、病変の診断ができず発見が遅れるリスクもあります。
除去を検討している場合は、必ず専門医に相談のうえ、適切な処置を受けるようにしましょう。
少しでも気になる場合は当院へご相談ください
「ほくろがかゆい」という症状は、乾燥や摩擦といった軽微な原因から、皮膚がんなどの深刻な疾患まで多岐にわたります。特に、かゆみと同時に色・形の変化、出血や拡大が見られる場合は悪性の可能性があるため注意が必要です。
自己判断による処置や放置はリスクを伴うため、気になる症状がある場合は医師に相談することが重要です。日常生活での予防ケアも忘れず、異変に気づいたらすぐに対応しましょう。かゆみを侮らず、気になる症状がある場合は早めにご相談ください。
院長紹介
日本形成外科学会 専門医 古林 玄
私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。
がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。
この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。
他にも多数の症例を解説しています。
顔にほくろが多いのはなぜ?原因や治療方法、予防策を解説
「昔より顔にほくろが増えたかもしれない」と感じたことはないでしょうか。
ほくろは誰にでもあるものですが、数が多かったり急に増えたりすると気になりますよね。
特に、顔のほくろは見た目の印象に影響するため、ほくろの除去を検討する方も少なくありません。
ほくろには、種類や状態に応じた適切な治療方法があります。もし自分で処置を行うと感染症や傷跡が残るリスクが伴います。
この記事では、顔のほくろが増える原因や治療法、予防策について解説します。ほくろを安全に除去したい方や、増やさないためのケアを知りたい方はぜひ参考にしてください。
顔のほくろが増える主な原因
顔のほくろが増える主な原因は、以下のとおりです。
- ・紫外線によるメラニンの蓄積
- ・遺伝による体質的な影響
- ・ホルモンバランスの乱れ
それぞれ詳しく見てみましょう。
紫外線によるメラニンの蓄積
顔のほくろが増える、最も一般的な原因が紫外線です。紫外線を浴びると、肌はダメージを守るためにメラニン色素を生成します。本来、メラニンは肌表面にとどまり、時間とともにターンオーバー(肌の生まれ変わり)によって排出されます。
しかし、過度な紫外線を浴びたりターンオーバーが乱れたりすると、メラニンが肌に蓄積し、ほくろとして定着するのです。結果として新しいほくろが形成されたり、すでにあるほくろが濃くなったりします。
特に顔は一年中紫外線にさらされやすいため、日焼け対策を行わずに外出する習慣がある方は、知らず知らずのうちにほくろが増えることがあります。
遺伝による体質的な影響
遺伝も、顔のほくろの数に影響を与える要因です。両親や祖父母にほくろが多い方がいる場合、皮膚のメラニンの生成量や分布など、性質が似ていると体質的にほくろができやすくなります。
遺伝が原因の場合は紫外線対策を徹底しても完全に防ぐのは難しいですが、日常的なケアである程度の予防は可能です。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れによってメラニンの生成量が増加し、ほくろが増える場合もあります。特に女性の場合、妊娠や出産、更年期などホルモンの変動が大きい時期にほくろが増えるケースがあります。
また、ストレス・睡眠不足・食生活の乱れなど、生活習慣によってもホルモンバランスが乱れやすくなります。
顔のほくろの治療方法
顔にできたほくろを除去したい場合、皮膚科や形成外科、美容皮膚科で以下のような方法で治療可能です。
- ・レーザー治療
- ・外科的切除
- ・電気メス(電気焼灼)
- ・くり抜き(パンチ切除)
適切な治療方法は、ほくろの大きさや箇所、症状によって変わります。希望する方法がある場合は、医師に相談しましょう。
レーザー治療
レーザー治療は、炭酸ガスレーザーやQスイッチレーザーなどを使用し、ほくろのメラニン色素に反応させて除去する方法です。切開する必要がないため、傷跡が残りにくく、ダウンタイムも短いことがメリットです。
ただし、盛り上がったほくろや深い根のあるほくろなどには適用できない場合があります。
外科的切除
外科的切除は、メスを用いてほくろを切り取る治療方法です。基本的に、縫合が必要になります。再発のリスクが低く、病理検査にも出せるため、悪性の疑いがあるほくろの場合に適しています。
大きなほくろや根が深いものなど、他の治療方法では除去が難しいケースにも対応可能です。
電気メス(電気焼灼)
電気メスは、高周波の電気で熱エネルギーを与え、ほくろを焼き切る方法です。治療時の出血が少なく、短時間で処置が完了します。手術中の止血効果も高いため、出血しやすい部位のほくろ除去にも適しています。
ただし、深いほくろや悪性の疑いがあるものには適していません。短時間・低踏襲で治療したい方に適した選択肢の一つですが、ほくろの状態によっては別の治療方法が推奨されることもあります。
くり抜き法(パンチ切除)
くり抜き法は、直径数mmの円筒形のメス(パンチ)を使用して、ほくろを丸くくり抜く治療方法です。皮膚の表面だけでなく、真皮層(深い部分)まで除去できるため、再発リスクが低くなります。
切除後は、縫合せずに自然に傷がふさがるまで待つケースが多いですが、サイズや場所によっては縫合が行われることもあります。
くり抜いた部分がくぼむことや、色素沈着が残る可能性もあるため、術後のケアや紫外線対策が重要です。
ほくろと皮膚がんの見分け方
ほくろの中には、悪性(皮膚がん)の可能性もあるため、以下のような特徴がある場合は早めに医療機関を受診しよう。
項目 | 詳細 |
---|---|
Asymmetry(左右非対称) | ほくろの形が左右対称ではない |
Border(境界が不明瞭) | 周囲がぼやけていたり、ギザギザしている |
Color(色が不均一) | 黒・茶色・赤・青など、複数の色が混在している |
Diameter(直径が6mm以上) | 大きさが拡大している |
Evolution(進行性の変化) | 短期間でかゆみ・出欠・色・形などの変化が見られる |
「急激に変化した」「以前と比べると明らかに異なる」と感じた場合は、自己判断で放置せず医師の診断を受けましょう。
顔のほくろを増やさないための予防方法
新たなほくろができないようにするためには、以下のような日々のスキンケアや生活習慣の見直しが重要です。
予防方法 | 詳細 |
---|---|
紫外線対策の徹底 | ・外出前には日焼け止めを使用する ・状況にもよるが「SPF30以上」「PA++以上」がおすすめ |
顔への直射日光を物理的に遮断 | 帽子・日傘・サングラスなどを使用して、顔への直射日光を防ぐ |
生活習慣の見直し | 十分な睡眠・バランスの取れた食事・ストレス管理など、ホルモンバランスを安定させるよう心がける |
ほくろを除去するのは手間がかかりますが、日頃のケアで増加を抑えることはできます。毎日の小さな習慣が、肌へのダメージを減らし、ほくろの予防につながるでしょう。
ほくろを除去する際の注意点
ほくろを除去する際の注意点は、以下のとおりです。
- ・自己判断で除去しない
- ・保険適用か自由診療か確認する
- ・施術後はアフターケアを行う
それぞれ詳しく見てみましょう。
自己判断で除去しない
市販のほくろ除去クリームや、自分で無理やり取る行為は避けましょう。傷跡や感染症の原因になるだけでなく、悪性(皮膚がん)の可能性を見逃すリスクもあるためです。
悪性かどうかは、ほくろの見た目だけでは判断が難しいため専門医の診断が必要です。安全かつ確実に除去するためにも、自己判断ではなく必ず医療機関に相談しましょう。
保険適用か自由診療か確認する
ほくろを除去する際は、保険適用か自由診療か確認しましょう。基本的に、美容目的でのほくろ除去は自由診療扱いとなり、全額自己負担となるケースが一般的です。
一方、悪性の疑いがある場合や、医師が医学的に除去が必要と判断した場合は保険適用となります。
医師の診断結果によって保険適用の可否が変わるので、まずは正確な診断を受けましょう。治療内容や方法、費用は医療機関によって異なるため、カウンセリング時に確認しておくと安心です。
施術後はアフターケアを行う
ほくろを除去した後の肌はデリケートな状態になっているため、アフターケアをしっかり行うことが重要です。適切なアフターケアを行うことで治療効果を高め、傷跡を最小限に抑えられます。
日焼けを避け、医師に指示に従って軟膏の使用やガーゼ交換などの適切なアフターケアを行いましょう。治療方法にもよりますが、術後1週間~1ヶ月程度のケアが必要です。
適切なケアを続けることで、炎症や色素沈着などを抑え、きれいな仕上がりを目指せます。どんなに小さな施術でも、アフターケアを怠らないようにしましょう。
ほくろが気になる場合は当院へご相談ください
顔にほくろが多くなる原因は、紫外線や遺伝、ホルモンバランスの乱れなどがあり、誰にでも起こり得るものです。気になるほくろがある場合は自己判断せず、専門医に相談することが大切です。診断結果によって、レーザーや外科的処置で治療できます。
また、紫外線対策や生活習慣の見直しを日常的に心がけることで、新たなほくろの発生を防げます。自己判断せずに、医師によるカウンセリングを受け、正しい知識と方法で対処しましょう。顔のほくろが増えたとお悩みの方は、当院へご相談ください。
院長紹介
日本形成外科学会 専門医 古林 玄
私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。
がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。
この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。
他にも多数の症例を解説しています。
ほくろ除去|治療の流れや綺麗になおる術後の正しいアフターケアを解説
顔や体にあるほくろが気になっており、きれいに取り除きたいと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、「どの治療方法を選べばよいのか分からない」「傷跡は残らない?」など、治療に対して不安を抱えている方も少なくないでしょう。
この記事では、レーザー治療・切除手術・焼灼手術の治療法の違いや施術の流れ、アフターケアまで分かりやすく解説します。さらに、悪性のほくろの見分け方やよくある質問についても紹介します。安心して治療に臨むために、ぜひ参考にしてください。
ほくろ除去治療とは?
ほくろ除去治療とは、皮膚上にできた「ほくろ(色素性母斑)」を取り除く施術のことです。
そもそもほくろは、以下のような要因で発生します。
原因 | 詳細 |
---|---|
メラニン色素の増加 | メラノサイト(色素細胞)が増殖することで発生する |
遺伝的要因 | 家族にほくろが多い人がいる場合、できやすい傾向がある |
紫外線(UV) | 紫外線によるダメージがメラノサイトを刺激し、ほくろの発生を促す可能性がある |
ホルモンの影響 | 思春期や妊娠などでホルモンバランスが変化すると、ほくろが増えることがある |
加齢 | 年齢を重ねると皮膚の細胞に変化が起き、ほくろが発生することがある |
ほくろは、「見た目が気になる」など美容上の理由で除去する場合と、悪性腫瘍などの可能性を考慮して除去する場合があります。
目的によって、治療方法や保険の適用範囲が異なります。美容目的の場合は自由診療、悪性腫瘍などで治療が目的の場合は保険適用されるケースが一般的です。
ほくろ治療の種類
ほくろの治療は、大きく分けると以下の3つの方法があります。
・レーザー治療
・切除術
・焼灼手術
ほくろの除去術とは何か、それぞれの治療内容や違いを詳しく解説します。
レーザー治療
レーザー治療は、炭酸ガスレーザーやYAGレーザーなどを用いて、ほくろの細胞を蒸散・破壊する方法です。小さいほくろの治療に適しています。切らずに除去できるため、傷跡が小さく済むことがメリットです。
局所麻酔を行いレーザーを照射しますが、施術は数分程度で完了します。術後のダウンタイムも短い傾向にあります。
切除手術
メスを使ってほくろを切除し、皮膚を縫い合わせる方法です。5mm以上の大きめのほくろや、悪性の疑いがある場合に適応されます。
病理検査も同時に行えるため、医学的な管理が必要なケースに適しています。術後は抜糸する必要があるため、通院が必要です。
焼灼手術
電気メスや高周波機器などを使用して、ほくろを焼き取る方法です。出血が少なく、処置が短時間で済むことがメリットです。
ただし、深く削りすぎると周りの組織を傷つけてしまい、傷跡が目立ちやすくなります。そのため、医師の技術が重視される治療方法です。
それぞれの治療方法の違い
それぞれの治療方法の違いは、以下のとおりです。
治療法 | 除去方法 | 適応サイズ | 特徴 | 治療期間 |
---|---|---|---|---|
切除法 | メスで切る | 中~大 | ・再発しにくい ・病理検査も可能 |
約1~2週間 |
レーザー | 光で焼灼・蒸散 | 小 | ・傷跡が少ない ・美容目的 |
数日~1週間 |
焼灼手術 | 電気で焼灼 | 小~中 | ・傷跡が少ない ・医師の技術が重要 |
約1週間 |
ほくろの大きさや症状によって適切な治療方法があるため、必ず医師と相談の上治療を決めるようにしましょう。
治療の流れ
ほくろの治療の流れは、以下のとおりです。
・診察、カウンセリング
・施術
・術後のケア
それぞれ詳しく見てみましょう。
STEP1:診察・カウンセリング
まずは、診察とカウンセリングを行います。所要時間は、20分程度です。ダーモスコピーという特殊カメラでほくろを確認し、良性か悪性かを判断します。
良性の場合は、すぐに施術できるケースがほとんどです。悪性の場合は、後日改めて切除・検査を行います。症状によっては、大学病院を紹介するケースもあります。
STEP2:施術
施術をする際は、局所麻酔を使用します。レーザー治療なら数分程度、切除手術や焼灼手術の場合は10~30分程度です。麻酔を使用するため、施術中の痛みはほとんどありません。
STEP3:術後のケア
施術後は、肌色の保護テープを3日~1週間程度貼る必要があります。保護テープは、細菌感染の予防と乾燥防止に役立ちます。個人差がありますが、完全に治るまでは1週間程度必要です。
治療後のケアの仕方
治療後、あとが残らないケアの仕方を紹介します。
①紫外線対策をしっかりする
術後の肌は非常にデリケートな状態になっているため、紫外線対策をしっかり行いましょう。日焼けをすると、色素沈着を引き起こす可能性があるためです。
色素沈着を防ぐために、日焼け止めや帽子などのアイテムでUV対策を行ってください。日焼け止めは、敏感肌用の低刺激のものがおすすめです。
②かさぶたを無理に剥がさない
施術した箇所がかさぶたになる可能性がありますが、無理に剝がさないようにしましょう。かさぶたは、自然に剥がれるまで待つことが重要です。無理にはがすと、色素沈着や傷跡が残る原因になります。
③擦ったり、摩擦などの刺激を与えない
患部を強く洗ったり擦ったりして、摩擦などの刺激を与えないようにしましょう。治療後は、肌バリアの機能が低下しており非常に敏感になっています。敏感肌でない場合でも、入浴やスキンケアをする際は、患部を優しく扱いましょう。
そもそもほくろとは
ほくろとは、皮膚の中にあるメラニン色素を作る細胞が集まってできた皮膚腫瘍のことです。大きく分けると、良性と悪性があり、悪性の場合は取り除かなければなりません。
良性のほくろで、日常生活に支障がなく見た目が気にならない場合は、無理に治療する必要はありません。
ただし悪性の場合は、早急に治療する必要があります。
悪性のほくろは、早期発見と適切な治療が重要です。
良性・悪性のほくろの代表例は、以下のとおりです。
【良性】ミーシャー母斑
【良性】ウンナ母斑
【良性】クラーク母斑
【良性】スピッツ母斑
【悪性】悪性黒色腫(メラノーマ)
【悪性】基底細胞癌
それぞれの症状を見てみましょう。
【良性】ミーシャー母斑
- 色:黒色・茶色
- 形:平坦
- 大きさ:通常1cm程度
- 好発部位:顔・首・背中・胸など
【良性】ウンナ母斑
- 色:褐色・赤色
- 形:でこぼこした形
- 大きさ:直径1cm程度
- 好発部位:顔・首・上腕・太ももなど
【良性】クラーク母斑
- 色:茶色・黒色
- 形:平坦
- 大きさ:直径1cm以下
- 好発部位:手のひら、足の裏などを含めた全身
【良性】スピッツ母斑
- 色:黒褐色・赤褐色・淡褐色
- 形:ドーム状に盛り上がることが多い
- 大きさ:6mm以下
- 好発部位:顔や四肢を含めた全身
【悪性】悪性黒色腫(メラノーマ)
- 色:黒や深紅色など、均一ではない
- 形:左右非対称でギザギザしている
- 大きさ:直径6mm以上
- 好発部位:手足の爪や足の裏など
【悪性】基底細胞癌
- 色:肌色・黒色
- 形:小さな盛り上がり
- 大きさ:数mm~数cm(徐々に拡大)
- 好発部位:顔面(鼻や耳の後ろに好発する)
悪性のほくろとその見分け方
悪性のほくろの判断基準として、ABCDE基準があります。以下のような異変がないかチェックしましょう。
- A:Asymmetry — ほくろの形が左右非対称
- B:Border irregularity — 皮膚とほくろの境界線が不明瞭
- C:Color variegation — ほくろの濃淡が不均一でまだら
- D:Diameter — ほくろの大きさが6mm以上
- E:Evolution — 急速に増大する、形状や色が変化する
上記のような特徴が見られる場合は、皮膚科で「ダーモスコピー検査」を受けましょう。
ダーモスコピー検査は、皮膚科専門医のみが行えるもので、良性・悪性の判断に役立ちます。当院ではダーモスコピー検査で良性か、悪性かのチェックを行っております。気になった方はお気軽にご相談ください。
よくある質問
ほくろは一回で除去できますか?
ほくろの色味の深さや状態によっては、2~3回程度施術が必要になる場合があります。特に深く根のあるほくろは、一度にすべてを取り切ると傷跡が目立ちやすくなる可能性があります。そのため、段階的に治療するケースも珍しくありません。
自力で取ってもいいでしょうか?
自分で無理に除去すると、感染症や深い傷跡、色素沈着が残るリスクがあります。医療機関で適切な処置を受けることをおすすめします。
傷跡は残りますか?
治療方法や個人の体質によって異なりますが、施術後しばらく傷跡が赤くなります。多くは3ヶ月程度で落ち着きますが、肌になじむまでは半年以上かかる場合もあります。
特に直径5mm以上のほくろや皮膚がよく動く箇所の治療をした場合、目立たなくなるまで時間がかかる傾向にあります。術後は処方された軟膏を塗り、患部が乾燥しないようにしましょう。傷跡が赤いうちは紫外線予防をすることで、色素沈着が抑えられます。
ダウンタイム中のメイク・入浴は?
患部を避ければ、当日から洗顔・入浴・メイクが可能です。患部を擦ると、ダウンタイムが長くなり色素沈着が残る可能性も高くなるため、強い摩擦を与えないよう注意してください。
保険適用になるケースは?
悪性を疑われ、病理検査を行う場合は保険適用になることがあります。一方、良性と診断され美容目的で治療する場合は自由診療です。保険適用となるかどうかは医師の判断によって変わるため、詳しくは診察時に相談してください。
ほくろの除去は当院にご相談ください
ほくろの診療で何より大切なことは患者様からお伺いする症状や状況です。そのため、当院ではじっくりと患者様からお話をお伺いし、そのうえで綺麗な仕上がりになるよう患者様の症状や状況に合わせ、適切な治療法をご提案します。
少しでもほくろの除去について気になっている方はお気軽にご相談ください。
院長紹介
日本形成外科学会 専門医 古林 玄
私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。
がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。
この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。
他にも多数の症例を解説しています。
レーザーでほくろ除去|他の治療法との違いや保険適用の条件も解説
「気になるほくろをきれいに取り除きたい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
ほくろを除去する方法はいくつかありますが、傷跡が目立ちにくく、短時間で治療できるのが「レーザー治療」です
今回は、レーザー治療の原理やメリット、他の治療法との違いについて解説します。保険適用の条件や治療の流れ、よくある質問にも解説しますので、レーザー治療を検討している方はぜひ参考にしてください。
ほくろのレーザー治療とは
レーザー治療では、特定の波長の光を照射することで、皮膚の一部を破壊・除去することができます。皮膚科や美容皮膚科で多く用いられ、主に以下のような症状に高い効果を発揮します。
・ほくろ
・イボ
・シミ
・あざ
・血管腫
レーザーは切らずに治療できるため、美容目的での利用が広がっています。
ほくろを除去する方法はいくつかありますが、傷跡が目立ちにくく、短時間で治療できるのが「レーザー治療」です。
治療の原理
レーザー治療は、光のエネルギーを利用して、対象となる組織を破壊する方法です。照射されるレーザー光は、色素や水分に吸収されやすい特性を持っています。
治療の目的に応じて、波長が選ばれます。例えば、ほくろ除去の場合はメラニン色素に反応するレーザーを使用し、色素細胞のみをピンポイントで破壊します。
皮膚の他の部分へのダメージが少ないため、回復も比較的早いのがレーザー治療の特徴です。
メリット
レーザー治療のメリットは、以下のとおりです。
・傷跡が小さく済む
・施術時間が短い
・出血が少ない
・ダウンタイムが短い
レーザー治療は、術後の傷がほとんど目立ちません。切開しないため、施術時間や回復時間が短くなります。他の治療方法に比べて、日常生活への影響が少ない治療です。
デメリット
レーザー治療のデメリットは、以下のとおりです。
・再発する可能性がある
・保険が適用されない
・施術対象に制限がある
視認できない深部の細胞が取り切れないと、再発するリスクがあります。また、サイズが大きいものや悪性の疑いがある症状には対応できません。
またほくろの治療で保険が適用されるのは、基本的にメスを使用する治療のみです。そのため、レーザー治療は保険適用外となります。
他の治療との違い
レーザー治療と、他の治療法の違いは以下のとおりです。
切除法(皮膚切除)
切除法は、メスを使用してほくろを切除する治療方法です。切開した箇所の縫合を行うため、術後は抜糸が必要になります。
ほくろが5mm以上、もしくは悪性の可能性がある場合に適応される方法です。切除法は、病理検査も同時に行えます。
ほくろを確実に取り切れるため、他の治療方法と比較すると再発のリスクがほとんどありません。回復までには、1~2週間程度の時間を要します。
レーザー治療
レーザー治療は、ほくろにレーザーを照射し、色素や組織を焼灼・蒸散して除去する治療方法です。2mm以下の小さなほくろや、シミ、イボなどに適応されます。
治療後は、赤みやかさぶたが数日~1週間程度残る可能性がありますが、他の治療方法と比較するとダウンタイムが短いことが特徴です。
レーザー治療は切開しないため、施術後の傷はほとんど目立ちません。そのため、美容目的で行うケースが多くあります。ただし、確実に取り切れないと再発する可能性があります。
高周波焼灼術
高周波焼灼術は、高周波電流の熱を利用してほくろを削り取り、細胞を破壊する治療方法です。外科手術では、止血のために使用される電気メスの治療器です。
再発の可能性も少ない治療方法ですが、深く削りすぎると正常な組織まで傷つけ、傷跡が残りやすくなります。そのため、深さをmm単位でコントロールできる医師の技術が求められます。
治療の流れ
レーザー治療の流れは、以下のとおりです。
・診察、カウンセリング
・施術
・術後のケア
それぞれの流れを詳しく解説します。
STEP1:診察・カウンセリング
まず、医師による診察とカウンセリングが行われます。具体的には、以下の項目を確認します。
・ほくろの状態
・レーザー治療ができるかどうか
・希望する治療方法ぼヒアリング
・治療内容と費用の説明
所要時間は、15~30分程度です。場合によっては、そのまま施術できるケースもあります。
STEP2:施術
施術は、以下の手順で行われます。
・局所麻酔
・レーザー照射
・治療後の措置
対象となるほくろの周囲に局所麻酔を行います。チクッとした痛みはありますが、麻酔後は痛みを感じることなく治療を受けられます。
レーザーを照射する時間は数分程度です。最後に止血と消毒を行い、保護テープを貼って終了です。
STEP3:術後のケア
術後すぐに、肌色のテープで傷口を保護します。テープは患部の保護や乾燥を防ぐ役割があり、3日~1週間ほど貼り続けることが推奨されています。
顔のほくろの除去の場合、施術当日は洗顔は避けましょう。メイクは傷口がふさがってから行うことが推奨されています。3~7日後が目安となりますが、傷の回復具合によって異なるため、詳しくは医師に相談しましょう。
ダウンタイム
レーザー照射後のダウンタイムは、個人差があります。たとえ小さな処置でも肌にダメージが加わるため、ダウンタイム(回復期間)が必要です。
具体的には、以下のような症状が見られます。
症状 | 回復期間 |
---|---|
赤み・腫れ |
・治療直後に赤みや軽い腫れが出る場合がある ・数日~1週間程度で落ち着く |
かさぶた |
・レーザーを照射してから2~3日後に形成される ・形成後は自然に剥がれ落ちるまで待つ(1週間~10日程度) |
色素沈着 |
・かさぶたが取れた後、一時的に色素沈着することがある ・個人差があるが数週間~数ヵ月以内に薄くなり目立たなくなる |
ダウンタイム中は、患部を擦ったり触ったりしないように注意しましょう。外出時は日焼け対策を徹底することが大切です。
必要に応じて、医師に処方された保湿剤や軟膏を使って回復をサポートしましょう。
よくある質問
ここでは、ほくろ治療に関するよくある質問を紹介します。
治療したほくろが再発することはありますか?
レーザー治療の場合は、再発の恐れがあります。治療してから数年後に、ほくろが点状に出てくることはありますが、治療前の状態になることは滅多にありません。
レーザー治療は主に美容目的で行うものなので、再発を避けたい方はメスで除去する方が確実です。
傷跡が残りませんか?
ほくろの位置や深さによって、細かい凹凸や傷跡が残ります。とはいえ、白っぽく薄い傷跡なので、ほとんど目立ちません。目立つ傷跡になることは稀です。
ただし、ほくろの種類や部位、患者様の体質によって傷跡が目立つ可能性もあります。レーザー治療で予想される傷跡については、診察の際に詳しくお伝えします。
麻酔をしないと治療できませんか?
レーザーで皮膚を削るため、麻酔なしでは治療できません。麻酔は、ほくろ部分のみに行います。チクッとした痛みを感じる場合がありますが、激しい痛みを伴うことはありません。
ただし、小さいほくろや症状によっては、麻酔なしで治療をすることもあります。
ほくろの治療は当院にご相談ください
ほくろの診療で何より大切なことは患者様からお伺いする症状や状況です。
そのため、当院ではじっくりと患者様からお話をお伺いし、そのうえで綺麗な仕上がりになるよう患者様の症状や状況に合わせ、適切な治療法をご提案します。
少しでもほくろの除去について気になっている方はお気軽にご相談ください。
院長紹介
日本形成外科学会 専門医 古林 玄
私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。
がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。
この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。
他にも多数の症例を解説しています。