まぶたにできものができる原因とは?症例と正しい治療法について

まぶたは、できものができやすい部分であり、考えられる原因は多岐にわたります。一般的な原因としては、メイク落としの不十分やストレスや疲労、細菌の感染などが挙げられます。正しい治療法は、まず原因を特定し、それぞれの症状に合わせたケアが重要です。また症状が悪化すると、視力に影響を及ぼす可能性もあるため、早めに診断を受けて治療することが大切です。

まぶたにできものができる原因

まぶたにできものができる原因として、まず過剰なアイメイクや不十分なメイク落としが考えられます。毛穴の詰まりや皮脂の酸化を引き起こし、炎症を促進するため、注意が必要です。また、日常的に目の周りを触る癖があると、手から細菌感染が引き起こされ、炎症が発生する可能性があります。他にも加齢による油脂の分泌能力の低下やまつ毛エクステンションの使用も目元にとって悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。さらに、ストレスや疲労が溜まると、免疫力が低下しやすくなり、まぶたにできものが発生する可能性が高まります。まぶたにできものが出来る原因は様々ですが、適切なケアを行うことが重要です。

よく見られる具体的な症例

まぶたにできものでよく見られる症例として、めばちこやものもらいと呼ばれる病気が挙げられます。これは細菌感染によるものであり、感染した場所によって様々な病名が存在します。また、まぶたにコロコロとした違和感や白いできものが現れ、腫れて痛みを伴うことがあります。感染が進行すると、腫れや痛みが強まり、目のまわりが赤くなることもあるので、注意しましょう。また、症状が悪化した場合には、手術が検討されることもあります。そのため症状が現れた際には、早めに診察を受けることが重要です。

まぶたにできるできものの種類と治療法

ここではまぶたにできるできものの種類とそれぞれの治療法について解説します。

・麦粒腫
・粉瘤
・マイボーム腺梗塞

麦粒腫

麦粒腫は、まぶたの汗や脂を分泌する腺に細菌感染が生じることで、まぶたが腫れて痛みや赤みが現れる疾患です。まつげの毛根や汗腺で感染した場合を外麦粒腫と呼び、マイボーム腺で起こる感染を内麦粒腫と呼びます。初期は局所的な赤みや軽度な痛みがあり、炎症が進むと腫れや痛みが強まる可能性が高くなるため注意が必要です。膿が出れば自然に回復に向かうこともありますが、重症化する前に早めのケアが大切です。

治療法

麦粒腫の治療法は、抗生物質の点眼薬や眼軟膏を使用して症状を緩和し、内服薬も必要に応じて使用するのが一般的です。炎症や腫れが進行して腫れがひどい場合には、患部を切開するか、注射針などで膿を排出する処置が行われることもあります。治療後、膿が排出されれば症状は回復に向かいますが、時にはしこりが残ることもあり、大きなしこりの場合は手術での切除が検討されることがあります。麦粒腫は、重症化すると手術が必要になる可能性があるため、まぶたに腫れや痛みがある場合は、早めに医師の相談することを推奨します。

粉瘤

粉瘤は良性の腫瘍で、最初はしこりのような盛り上がりがあり、初期の段階では目立たず、小さなしこりやニキビのように感じられます。この時点では一般的には日常生活に支障をきたしませんが、進行すると皮膚の下に袋状の組織ができ、その中には皮脂や角質などの老廃物が蓄積されます。特に注意が必要なのは、粉瘤が自然に小さくならないことです。粉瘤が成長するとまぶたを隆起させ、臭いを発するようになり、炎症が引き起こされると痛みや腫れ、膿が発生する可能性があるため注意しましょう。

治療法

粉瘤の治療法は、一般的には自然に小さくならないため、くりぬき法や切開法と呼ばれる手術が行われます。くりぬき法では、特殊な器具を用いて皮膚に小さな穴を開け、粉瘤の内容物を絞り出し、袋状の組織を引き抜く方法です。手術時間は5分~20分と短く、体への負担が最小限に抑えられる治療法と言えます。一方切開法では、粉瘤直上の皮膚を切開し、まるごと摘出する手術です。切開法は再発の可能性が低くなるため、状態に応じて最適な手術方法が検討されます。

マイボーム腺梗塞

マイボーム腺梗塞は、まぶたの縁に発生する白いできものです。通常は無症状なことが多いですが、大きなものでは異物感を感じることもあります。マイボーム腺梗塞は、分泌物である脂質や角化物が固まり、腺が詰まることで生じます。さらにマイボーム腺梗塞があると、麦粒腫や霰粒腫ができやすくなり、注意が必要です。マイボーム腺梗塞によって脂質の分泌が減少し、ドライアイの原因にも繋がるでしょう。

治療法

症状が軽度の場合は、セルフでまぶたをマッサージするなどで改善するケースもあります。軽度の場合は、症状に合わせて軟膏や内服薬を使用した治療法になります。しかし大きな腫れがある場合は手術を行う可能性があるため、早期の治療が重要です。そしてセルフケアでは詰まりが即座に解消されないことや、目を傷つける可能性があるため、症状が改善されない場合は、早期の処置が有効です。

放置すると視力や視界に影響を及ぼす可能性も

まぶたのできものは再発しやすく、自己判断による放置は禁物です。特に治療を怠ると、その部分がしこりとして残り、視力や視界に悪影響を及ぼす可能性があります。そして感染が広がると、自然治癒できたように見えても症状が悪化し、再発を引き起こすこともあります。そのため、放置すると悪化してしまうだけでなく、視力や視界に悪影響を及ぼす可能性も考えられるため自己判断は避けるようにしましょう。まぶたのできものには、早期の治療と再発予防が重要です。

まぶたのできものが治療できる診療科

ここではまぶたのできものを治療できる診療科について解説します。

・形成外科
・眼科

形成外科

形成外科医は、外科的な手術を専門としており、まぶたのできものの摘出や処置を行うことが可能です。また形成外科医は、特に手術後の傷跡が残らないよう心がけており、まぶたの治療においては優れたスキルを持っていると言えるでしょう。そのため、まぶたのできものに対する治療においては形成外科がおすすめです。形成外科医の専門的な知識と技術は、回復に向けた適切な治療を提供しており、症状の改善を効果的に治療できます。

眼科

眼科は子どもからお年寄りまで幅広い患者を対象にしており、まぶたや眼の周りの病気や異常に対する専門的な治療を行います。眼科医は眼球という小さな組織に対して外科的治療や内科的治療を行い、まぶたのできものを含むさまざまな眼の疾患の治療が可能です。眼科では、医学の進歩により、診断から手術まで患者に寄り添った最適な医療を提供しています。

まとめ

まぶたにできものができる原因は多岐にわたり、主な原因はメイク落としの不十分さや疲労、細菌の感染が挙げられます。これらの要因が重なり、まぶたにできものができたり、腫れや赤みを引き起こしたりすることがあります。正しい治療法は、まず原因を特定して症状に適したケアを行うことが重要です。そして症状が悪化すると、視力や視界に悪影響を及ぼす可能性があります。まぶたに違和感を感じた際は、痛みが少なく日帰り治療が可能な当院をご利用ください。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。